The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

5. 畜産物利用

5. Animal products technology

[P5-16] 豚ミンチ肉と皮下脂肪塊による豚肉の食味に対する脂肪酸組成の影響

〇Toshiaki OKUMURA1, Tomoyo KUBOTA1, Kimiko KOHIRA1, Yuri YOSHIDA1, Naoaki OBANA1, Fumika HONMA1, Hiroyuki HASEBE1, Tomomi SAITO1, Tetsuya TESHIMA2, Kazunori Matsumoto1, Masakazu IRIE1 (1.NLBC, 2.JMGA)

【目的】豚肉の食味に及ぼす脂肪酸組成の影響を豚ミンチ肉と皮下脂肪塊を用いて分析型官能評価により検討した。【方法】食肉市場で様々な脂肪性状を示す豚枝肉(n=36)からロース部位を採取した。熟成期間は5日間とし、1/2部位付近の皮下脂肪内層を含む胸最長筋を採取し、脂肪酸組成測定と調理に供した。調理はロースト法で実施した後、胸最長筋と皮下脂肪に分け、内層から脂肪塊を得た後、肉と脂肪をそれぞれ細切し、重量比で肉2:脂肪1で混合しミンチ肉を作成した。得られたミンチ肉と脂肪塊についてそれぞれ分析型官能評価を行った。【結果】ミンチ肉では、脂肪酸組成は風味の強さにあまり影響しなかったが、オフフレーバーと多価不飽和脂肪酸には正の相関関係を示す傾向がみられた。脂肪塊では、良い香りの強さと一価不飽和脂肪酸との相関係数は0.42(P<0.05)、オフフレーバーと多価不飽和脂肪酸との相関係数は0.34(P<0.05)であった。また、多価不飽和脂肪酸の水準で3試験区に分け、食味との関係を調べた結果、ミンチ肉、脂肪塊とも多価不飽和脂肪酸高水準区は中水準区や低水準区より酸化臭を感じた割合が高く、ミンチ肉では高水準区は中水準区よりオフフレーバーが強かった(P<0.05)。以上から、豚肉で多価不飽和脂肪酸含量が高いとオフフレーバーが増すこと、さらに一価不飽和脂肪酸含量は良い香りに寄与する可能性があることが示唆された。