日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

5. 畜産物利用

5. 畜産物利用

[P5-26] ニワトリ胚からの筋衛星細胞の単離培養と細胞内代謝産物の解析

〇佐野 虎之介1、小林 聖明1、小宮 佑介1、長竿 淳1、有原 圭三1 (1.北里大獣)

【目的】近年、筋衛星細胞の培養による代替肉生産が注目されている。その際、細胞内代謝産物は代替肉の栄養成分となって利用される。本研究では、ニワトリ胚からの筋衛星細胞の単離方法の確立と、培養した筋衛星細胞内の代謝産物の解析を試みた。
【方法】ニワトリ有精卵を37℃で12日間保温し、割卵後、胚から大胸筋と大腿筋を採取した。また、14日齢のニワトリヒナからも大胸筋と大腿筋を採取した。それぞれの筋肉は、コラゲナーゼ処理により細胞を分散させ、筋衛星細胞の単離を試みた。ディッシュ中の培地に播種し、37℃で培養することにより得た細胞は、抗Pax7抗体による蛍光染色とDAPIによる対比染色を施し、筋衛星細胞の純度を確認した。培養した筋衛星細胞を破砕し、細胞内代謝産物の解析を、高速液体クロマトグラフィー/質量分析法により行った。
【結果】得られた筋衛星細胞の数と分化状態は、ニワトリ胚から調製したものがニワトリヒナからのものよりも優れていたため、以降の実験にはニワトリ胚を用いた。培養した細胞は、6日目に密集状態で筋管に分化している様子が観察できた。DAPIによって染色された細胞の多くがPax7を発現しており、筋衛星細胞が高い純度で得られたことが判明した。細胞内代謝産物の解析により、各種アミノ酸やペプチドの存在が確認された。