日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

6. 管理・環境

6. 管理・環境

[P6-05] 暑熱条件下の昼夜放牧におけるホルスタイン種乾乳牛の採食時間に及ぼす気象要因の影響

〇安在 弘樹1、中岡 恵大1 (1.宮崎大農)

【目的】暑熱ストレスは乳牛の生理と行動の両方に影響を及ぼし,生産性を低下させる.本研究では,暑熱条件下で昼夜放牧される乾乳牛の採食時間を調査し,気象要因の影響について検討した.【方法】宮崎大学住吉フィールドにおいて昼夜放牧されたホルスタイン種乾乳牛5~6頭に対し,加速度ロガーを固定した首輪を装着し,2020年6~10月の計22日間の加速度情報を取得した.のべ約3300頭・分の行動観察に基づき加速度情報から行動を分類し,採食時間を推定した.気象データは,調査地から約7 km離れた気象台における観測値によった.1日,日中および夜間の採食時間を目的変数とし,気象変数(THI(温湿度指数),1日のうちTHIが70~84以上であった時間,気温,相対湿度,日照時間など)を説明変数の候補として,ステップワイズ法を用いた重回帰分析を行った.【結果】加速度情報から96%の精度で行動を採食とその他に分類できた.1日の採食時間は5.1~9.0時間,日中および夜間の採食時間はそれぞれ2.7~6.1時間および1.4~3.3時間の範囲であった.1日の採食時間について,日照時間と相対湿度を説明変数とする回帰式(補正R2 = 0.35)が得られた.日中の採食時間について,THIが78以上であった時間を説明変数とする回帰式(補正R2 = 0.51)が得られた.夜間の採食時間については有意な回帰式が得られなかった.