日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

6. 管理・環境

6. 管理・環境

[P6-06] 送風と微細霧ミストが夏季搾乳牛の行動および乳生産性に及ぼす影響

〇金川 立樹1、高倉 佑典1、福井 俊耀1、金田一 智規2、中原 禎仁3、小櫃 剛人1、杉野 利久1 (1.広大生生、2.広大院先進理工、3.三菱ケミカル(株))

【目的】温暖化による気温の上昇に伴い,夏季搾乳牛では摂取量,乳生産の低下が懸念されている.暑熱対策として本研究では日本のような多湿環境下でも気化しやすい微細霧ミストに着目し,暑熱下の乳牛における行動および生産性に及ぼす影響を検討した.【方法】供試動物はフリーストール牛舎のホルスタイン搾乳牛17頭(平均産次数1.5回,平均分娩後日数210.0日)を用いた.処理区として,送風のみの対照区とストール上に設置した微細霧ミストの噴霧を併用するミスト区を設け,予備期12日,本期2日の計14日を一期として,試験を8月6日~9月2日に行った.調査項目を温湿度,直腸温,呼吸数,反芻時間,体表面温度,乾物摂取量,乳生産成績および行動とした.【結果】牛舎内の温湿度および不快指数(THI)の日平均は対照区(79.4)とミスト区(79.6)で違いがなく,両区とも同等の暑熱ストレスに曝されていたと考えられた.直腸温,呼吸数,体表面温度は両区で差がなかった.行動に関して,10:00~11:00,11:00~12:00の時間帯では対照区と比較してミスト区で横臥時間が高値,起立時間が低値を示した.また,ミスト区で反芻時間および乳量が高値を示した.以上のことから,送風と微細霧ミストの併用は多湿環境下でも搾乳牛の暑熱ストレスを緩和できるかもしれない.