日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

6. 管理・環境

6. 管理・環境

[P6-14] 低消費電力マイコン上で動作するヒツジの行動推定アルゴリズムにおける入力加速度データの違いによる推定精度

〇磯部 泰徳1、テイ カーニン2、竹田 謙一2 (1.ソニー R&Dセ、2.信州大農)

【目的】家畜の行動センシングには省電力で長時間稼働できるデバイスが必要である。本研究は、深層学習を用いて低消費電力のマイコン上で動作するヒツジ用の行動推定アルゴリズムを開発し、入力データ長(ts)とサンプリング周波数(fs)が推定精度に及ぼす影響を調べた。
【方法】成雌ヒツジ4頭を供試した。供試ヒツジに首輪型の加速度センサを取り付け、平坦な草地に放牧した。加速度センサのfsは128Hz(128回/秒)に設定し、供試ヒツジの4つの行動(休息、反芻、採食、歩行)に伴う加速度を記録した。加速度センサの記録と同時に放牧エリアに設置したビデオカメラで供試ヒツジの行動を連続記録した。放牧終了後に録画データを再生し、得られた加速度データに対する供試ヒツジの行動を紐づけした。紐づけしたデータを6段階(ts:1秒, 3秒,5秒, 7秒, 10秒, 15秒)で切り出し、さらにそれぞれを5段階のfs(128Hzと間引き処理した64Hz, 32Hz, 16Hz, 8Hz)で抽出した。抽出後の各データを行動推定アルゴリズムで機械学習させ、4種類の行動の推定精度を算出した。
【結果】fsは8Hzの場合のみ顕著に精度が低下したが、16Hz以上では大きな変化は見られなかった。tsは3秒以下では精度が低下したが、5秒以上では大きな変化は見られなかった。ts:10秒、fs:16Hzで約95%の精度が得られた。