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[VYS-02] マウス単離初期一次卵胞の体外培養による産子の作出
【背景】優良家畜の未発育卵を有効活用する目的で、初期一次卵胞の単離体外培養技術の開発が求められている。そこで本研究では、培養過程における一次卵胞の莢膜細胞と基底膜の除去および最適な酸素濃度を検討し、発生能を持つ卵の作出を試みた。【材料・方法】 BDF1マウス卵巣から直径50~70㎛の一次卵胞を機械的に単離した。実験1)単離した一次卵胞を培養膜上で培養し、培養8日目にコラゲナーゼにより莢膜細胞・基底膜を除去するコラゲナーゼ処理区もしくは未処理区に供試した。その後、卵胞を12日間培養し、得られた卵丘-卵母細胞複合体(COCs)の成熟・発生能を評価した。実験2)培養期間を通して同一酸素濃度で培養する①20%O2対照区、②5%O2区、培養前期・後期で酸素濃度を切替える③20-5% O2区および④5-20%O2区を設け、卵胞を培養した。培養後、COCsを回収し成熟・発生能を評価した。【結果・考察】 実験1)培養後の成熟率はコラゲナーゼ処理区 (74.5%)が未処理区(38.2%)よりも有意に高かった。実験2)培養後の成熟率および胚発生率はそれぞれ、①対照区(69.7%と2.9%)に対し、②5%区(78.4%と15.6%)、③20-5%区(89.4%と45.7%)、④5-20%区(82.3%と11.4%)で有意に高かった。さらに、得られた発生胚を仮親卵管に移植し産子を獲得した。