14:45 〜 15:00
[3Bp-03] フリージング温度が糖質低減アイスクリームの濃厚感に与える影響
キーワード:アイスクリーム、フリージング、糖質低減
【目的】健康志向の高まりにより,糖質を低減したアイスクリームが注目されている.糖質を低減させるには,砂糖や水あめ等の糖質を食物繊維に置換する手法が一般的だが,喫食時の濃厚感が低下するという課題がある.一方,アイスクリーム製造特有の工程であるフリージング条件を変化させることで,おいしさを制御できることは知られているが,糖質低減アイスクリームにおけるその効果は不明である.そこで本研究では,フリーザーの排出温度による,糖質低減アイスクリームの濃厚感の改善効果を検証すると同時に,組織特性(氷結晶径及び乳脂肪の粒子径)との関係性を確認した.
【方法】試料は,食物繊維12%を配合したアイスクリームミックス(乳脂肪分8.5%,無脂乳固形分7.8%)をフリーザーに供給し,5条件の排出温度(-5℃,-4.4℃,-3.8℃,-2.8℃,-2.1℃)にて作製したアイスクリームを用いた.官能評価は,濃厚感を「喫食時に感じるミルク感及び脂肪感の総合的な強さの度合い」と定義し,11名のパネルによる5段階の採点法にて実施した.氷結晶径は冷凍条件下で観察可能な光学顕微鏡及び画像解析ソフト、脂肪の粒子径はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置により計測した.
【結果】官能評価において,排出温度-5℃,-4.4℃,-3.8℃のサンプルは,-2.8℃及び-2.1℃サンプルと比較して高いスコアを得た.氷結晶径は,排出温度-2.8℃及び-2.1℃のサンプルが40μm以上であるに対し,-5℃,-4.4℃,-3.8℃のサンプルは30μm以下であった.また,脂肪球の平均径は低温で排出したサンプルほど大きい傾向が認められ,排出温度-3.8℃のサンプルでは3.0μmであった.よって,氷結晶径30μm以下かつ脂肪粒子径3.0μm以上となるフリーザー排出温度にすることにより,糖質低減アイスクリームの濃厚感が改善されることが示唆された.
【方法】試料は,食物繊維12%を配合したアイスクリームミックス(乳脂肪分8.5%,無脂乳固形分7.8%)をフリーザーに供給し,5条件の排出温度(-5℃,-4.4℃,-3.8℃,-2.8℃,-2.1℃)にて作製したアイスクリームを用いた.官能評価は,濃厚感を「喫食時に感じるミルク感及び脂肪感の総合的な強さの度合い」と定義し,11名のパネルによる5段階の採点法にて実施した.氷結晶径は冷凍条件下で観察可能な光学顕微鏡及び画像解析ソフト、脂肪の粒子径はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置により計測した.
【結果】官能評価において,排出温度-5℃,-4.4℃,-3.8℃のサンプルは,-2.8℃及び-2.1℃サンプルと比較して高いスコアを得た.氷結晶径は,排出温度-2.8℃及び-2.1℃のサンプルが40μm以上であるに対し,-5℃,-4.4℃,-3.8℃のサンプルは30μm以下であった.また,脂肪球の平均径は低温で排出したサンプルほど大きい傾向が認められ,排出温度-3.8℃のサンプルでは3.0μmであった.よって,氷結晶径30μm以下かつ脂肪粒子径3.0μm以上となるフリーザー排出温度にすることにより,糖質低減アイスクリームの濃厚感が改善されることが示唆された.