15:15 〜 15:30
[3Ip-05] ドライ熟成過程の真菌画像を活用した食べ頃予測モデルの構築 -ホルスタイン去勢牛での検討-
キーワード:ドライ熟成肉、予測モデル、真菌被覆度
【目的】ドライ熟成肉(Dry-aged beef: DAB)は,温湿度を調整した低温庫内で空気に晒して熟成した食肉製品である.乾燥した肉の表面(クラスト)には真菌類をはじめとする微生物が生育し,これらがDAB特有の熟成香や味わいを作り出すと考えられている.熟成過程における肉質は,これまでに遊離アミノ酸や核酸といった破壊分析から得られるデータで評価されてきたが,非破壊データを指標として予測した例はない.そこで演者らは,ドライ熟成過程における肉表面の真菌領域からDABの食べ頃を予測できるか検討することを目的とした.
【方法】ホルスタイン去勢牛のランプ(左右)を6ブロックにカットし,北一ミート(株)の熟成庫内に生育する蔵付菌叢(接合菌類が優占種)を接種した.小型カメラを取り付けた卓上小型熟成装置内にブロックを配置し,平均温度3.3oC,平均相対湿度65%の条件下で0~5週間ドライ熟成を行った.熟成期間中は1週間毎にDABのクラスト画像を撮影し,肉領域に対する真菌領域の占有率(真菌被覆度)を算出した.また,目的変数を1週間毎にサンプリングしたDABの官能特性スコア(熟成0週目を基準(0)として‐3~+3の7段階で評価),説明変数を真菌領域としたモデル式を作成し,食べ頃予測値の精度を検証した.
【結果】熟成開始1週間頃よりDABのクラストには白い綿毛状の接合菌が生育し,2週間以降はDAB全体が白く覆われていた.過去x週の真菌領域値を入れたモデルをAICにより選択し, x=2のモデルが最適であった.官能評価スコアの実測値とモデル式から求めたスコアの平均絶対誤差は0.45であり, 食べ頃週の実測値と予測値の差は0.4週であった.これらの結果より,DABの非破壊データから食べ頃の予測モデル式の構築の可能性が示された.
【方法】ホルスタイン去勢牛のランプ(左右)を6ブロックにカットし,北一ミート(株)の熟成庫内に生育する蔵付菌叢(接合菌類が優占種)を接種した.小型カメラを取り付けた卓上小型熟成装置内にブロックを配置し,平均温度3.3oC,平均相対湿度65%の条件下で0~5週間ドライ熟成を行った.熟成期間中は1週間毎にDABのクラスト画像を撮影し,肉領域に対する真菌領域の占有率(真菌被覆度)を算出した.また,目的変数を1週間毎にサンプリングしたDABの官能特性スコア(熟成0週目を基準(0)として‐3~+3の7段階で評価),説明変数を真菌領域としたモデル式を作成し,食べ頃予測値の精度を検証した.
【結果】熟成開始1週間頃よりDABのクラストには白い綿毛状の接合菌が生育し,2週間以降はDAB全体が白く覆われていた.過去x週の真菌領域値を入れたモデルをAICにより選択し, x=2のモデルが最適であった.官能評価スコアの実測値とモデル式から求めたスコアの平均絶対誤差は0.45であり, 食べ頃週の実測値と予測値の差は0.4週であった.これらの結果より,DABの非破壊データから食べ頃の予測モデル式の構築の可能性が示された.