The 71th Annual Meeting of JSFST

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Symposia

シンポジウムA

[SA2] シンポジウムA2:「やさいが彩る毎日のしあわせ~ウェルビーイングを産官学連携のちからで~」
産官学連携シンポジウム(産官学連携委員会・一般財団法人旗影会共催 後援:農林水産省)

Thu. Aug 29, 2024 2:30 PM - 5:15 PM Meijo Hall (1F N101)

世話人:船見 孝博(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)、田中 敏治(キユーピー株式会社)

2:40 PM - 3:10 PM

[SA2-01] An Overview of Health Japan 21(the third term)

*Michiko Taniguchi1 (1. Health Promotion Division, Public Health Bureau, Ministry of Health, Labour and Welfare)

Keywords:Health Japan 21(the third term), National Health Promotion Measures in Japan

【講演者の紹介】
 谷口 倫子(たにぐち みちこ)厚生労働省 健康・生活衛生局健康課 女性の健康推進室室長
 略歴:腎臓専門医、透析専門医、総合内科専門医。長崎大学医学部医学科卒業後、横浜市立大学医学部循環器・腎臓・高血圧内科学教室入局。国家公務員共済組合連合会横浜栄共済病院腎臓内科、済生会横浜市南部病院腎臓高血圧内科等で勤務の後、厚生労働省入省。難病対策、外来・在宅医療対策等を担当の後現職。

 令和6年度から、「21世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本21(第三次))」(以下、第三次という。)が開始された。国民健康づくり運動としては第5次の計画となり、健康日本21(第二次)(以下、第二次という。)に引き続いて、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指す。
第二次では、最上位目標である「健康寿命の延伸」は達成されたものの、野菜摂取量、運動習慣など、生活習慣に関する目標のうち未達成に終わったものが認められた。また、アルコール摂取量について、女性で指標となる数値の悪化が見られており、個人の行動変容を促す取組の強化や、属性に着目した取組も必要と考えられた。
 第三次では、ライフコースも念頭に置いた個人へのアプローチを進めるとともに、個人を取り巻く社会環境の質の向上を図ることによって健康づくりを進め、全ての国民が心豊かに生活できる持続可能な社会の実現を目指すこととしている。人生100年時代を迎え、社会が多様化する中、各人の健康課題は様々であり、それぞれの健康課題に寄り添いつつ、誰一人取り残さず、より実効性のある取組を進めていくにあたり「女性の健康」「自然に健康になれる環境づくり」「多様な主体による支援」「ICTの活用」「アクションプランの提示」の5つの視点を採り入れた。計画期間は令和6年度から17年度までの12年間であり、51項目の目標を定めている。新たな目標としては、骨粗鬆症検診受診率のほか、平均の睡眠時間が6~9時間(60歳以上については6~8時間)の者の割合、健康経営に取り組む企業数等が盛り込まれた。これらの達成状況については、第二次と同様に、中間評価(計画開始後6年を目途)、最終評価(同10年を目途)を行い、より効果的な取組につなげていく。
 地方公共団体の健康増進計画については、都道府県は計画を策定すること、市町村は計画の策定に努めることとされている。今後、少子高齢化の進展、独居世帯の増加が見込まれる中、地域の人々とのつながりや様々な社会参加を促すことによって、健康増進を図ることが重要となる。第二次では7割超の市町村が健康増進計画を策定しており、第三次においては、全ての市町村における計画策定を目指すとともに、地域住民の健康づくりの底上げを図る。第三次の終了時に、国民の健康寿命がさらに延伸し、誰もが、より長く健康で暮らすことのできる地域創出を果たせるよう、国としても、取組や支援を進めていく。