日本薬学会第144年会(横浜)

セッション情報

一般シンポジウム

[S32] ★ゲノム編集技術が切り拓く未来医療 ~技術開発から治療応用まで~

2024年3月30日(土) 09:45 〜 11:45 [315会場] 会議センター 315 (3F)

オーガナイザー:塚本 智仁(阪大院薬)、松本 大亮(広大院医系科学)

 原核生物の獲得免疫機構を基に開発されたCRISPR -Cas9システムは、標的のゲノム領域に相補的な配列を有するgRNA (guide RNA)が、DNA切断活性を持つCas9をその標的ゲノム領域へと導くため、任意のゲノム領域を極めて特異的に切断することができる。この性質を利用して任意の遺伝子をノックアウト、ノックインすることが可能であることから、分子生物学研究のみならず、様々な疾患モデル細胞や創薬スクリーニング系の構築にも重要な技術となっている。
 特にゲノム編集による遺伝子治療は、従来の遺伝子補充療法とは異なり、任意の遺伝子領域を正常な遺伝子に直接修復することから、恒久的な治療効果を示す。このことから、ゲノム編集による遺伝子治療は、先天性遺伝子疾患に対する革新的な治療法として注目を集めている。一方、ゲノム編集治療の実現に向けては、ゲノム編集効率、Cas9の制御方法、組織への送達法、特許の問題など、解決すべき様々な課題が残されている。
 本シンポジウムでは、ゲノム編集治療の様々な課題を解決すべく研究を取り組んでおられる5名の研究者の方々に、基礎的なゲノム編集技術開発から治療応用を見据えた研究まで、最新の知見を幅広くご講演いただく。本シンポジウムによって、ゲノム編集治療の現状と今後解決すべき課題について議論することで、未来医療の実現に向けた新たなゲノム編集研究に繋げることを目指す。

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