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[1C04] コートジボワールの初等教育における非認知能力の視点からみた教育の質
キーワード:アフリカ教育開発、教育の質、非認知能力
本研究の目的は、教育の普遍化を背景に多様化する教育の質を、非認知能力という視点からコートジボワールの初等教育を例に、明らかにすることである。リサーチクエスチョンは、非認知能力とコートジボワールの初等教育における教室内の教育プロセスはどのような関係性にあるか、初等教育に関わる保護者や教師は、初等教育において児童のどのような能力の涵養を希求しているか、の2点とする。 教育開発分野において教育の質は、従来重要な課題として捉えられており、サブサハラ・アフリカ(以下、アフリカ)における議論は、教師の質の低さと伝統的な授業実践に対する批判から、教育の質そのものに迫る質的研究まで多様に蓄積されている。また、教育の質をめぐる認識の齟齬を描く先行研究も近年活発に行われている。他方で、認知能力と非認知能力の両面から教育の質を捉えるという議論をはじめとし、非認知能力に対する関心が高まっており、教育の普遍化が急速に進むアフリカにおいても教育の質の捉え方は多様化している。 このような趨勢にも関わらず、教育開発分野における非認知能力の様相を把捉する研究は長らくの間、黎明期であると言える。また、教育の質は、児童の心の側面に関わるものであるとされているが、非認知能力という視点から教育の質を捉えようとする試みは管見の限りない。さらに、これまでの教育の質に関する先行研究は、初等教育を対象とした事例研究の背景の特異性や、教室内での教育的営為の中での議論の不足、英語圏に傾倒した地域性の偏りを指摘せざるを得ない。 そこで、本研究ではコートジボワールにおいて約6週間、初等教育学校での参与観察及び教師、保護者への半構造化インタビューをフランス語で実施した。本発表では、これらの現地調査のデータをもとに、主に自己効力感とリーダーシップに焦点を当て、多様化する教育の質を非認知能力の視点から論じたい。
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