日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. 栄養・飼養

[P1-28] 最大哺乳到達と離乳時期の早期化が乳用雌子牛の発育,消化性および繁殖性に及ぼす影響

〇中村 真紀1、近田 邦利2、大澤 玲3、沖村 朋子4、竹内 拓朗5、西村 慶子6、白井 雄介7、犬飼 愛8、坂本 和志9、村山 恭太郎10、上野 豊11、櫛引 史郎12、磯部 直樹13、杉野 利久13 (1.島根畜技セ 現:島根東部農振セ、2.神奈川畜技セ、3.埼玉農技研セ、4.富山畜研、5.石川畜試 現:富来放牧場、6.宮崎畜試 現:宮崎南那珂農改セ、7.山梨畜酪技セ 現:山梨東部家保、8.千葉畜総研セ、9.ワイピーテック、10.全酪連酪技研、11.信州大農、12.農研機構畜産部門、13.広島大院統合生命)

【目的】最大哺乳到達と離乳時期の早期化を目的に,発育を促進する中鎖脂肪酸を添加した代用乳を用いて子牛の発育,消化性および繁殖性に及ぼす影響について検討した.【方法】公立8試験場のホルスタイン種雌子牛を供試した.各試験場の飼養管理は同一とし,市販粉末初乳給与後,出生後2回目以降の哺乳から市販代用乳を用いて哺乳量を徐々に増給し3週齢で最大哺乳,8週齢で離乳する対照区(21頭),1.5週齢で最大哺乳,6週齢で離乳する早期離乳区(20頭),中鎖脂肪酸添加代用乳を用いて早期離乳区と同様に管理したMCT区(21頭)を設けた.人工乳および乾草は自由摂取とした.13週齢まで飼料摂取量を毎日,体重を毎週計測し,13週齢時に消化試験を実施した.39週齢に到達した個体について42週齢まで定期的に血漿プロジェステロン(P4)濃度を測定し,排卵の有無を調査した.【結果】早期離乳した2区では6週齢から固形飼料摂取量が高く推移した.一方で13週齢時の体重は処理区に差はなく,乾物消化率および蓄積窒素量も同様に差はなかった.P4濃度が上昇した個体割合は,MCT区が最も高く,対照区,早期離乳区の順で高かった.このことから,最大哺乳到達を早めることで離乳時期を早期化しても一般的な高栄養哺乳プログラムと同程度の発育が期待でき,さらに中鎖脂肪酸の添加給与により初回排卵を早期化できる可能性が示唆された.