日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. 栄養・飼養

[P1-30] 中鎖脂肪酸添加代用乳を用いた早期離乳プログラムへの酪酸添加が乳用雌子牛の血液および糞便性状に及ぼす影響

〇沖村 朋子1、近田 邦利2、大澤 玲3、中村 真紀4、竹内 拓朗5、西村 慶子6、神藤 学7、川嶋 賢二8、犬飼 愛8、坂本 和志9、村山 恭太郎10、上野 豊11、櫛引 史郎12、磯部 直樹13、杉野 利久13 (1.富山畜研、2.神奈川畜技セ、3.埼玉農技研セ、4.島根畜技セ 現:島根東部農振セ、5.石川畜試 現:富来放牧場、6.宮崎畜試 現:宮崎南那珂農改セ、7.山梨畜酪技セ、8.千葉畜総研セ、9.ワイピーテック、10.全酪連酪技研、11.信州大農、12.農研機構畜産部門、13.広島大院統合生命)

【目的】演者らは、中鎖脂肪酸を添加した代用乳を用いた高栄養早期離乳により、従来と同程度の発育が期待でき、初回排卵が早まることを報告した(日本畜産学会第128回大会)。そこで本研究では、消化管絨毛発達を促進する効果があることが明らかとなっている酪酸を用いて、子牛の血液性状、糞便性状に及ぼす影響について検討した。【方法】公立8試験場のホルスタイン種雌子牛を供試した。各試験場の飼養管理は同一とし、市販粉末初乳給与後、出生後2回目以降の哺乳から中鎖脂肪酸添加代用乳を用いる対照区(20頭)、本代用乳に0.6%酪酸油脂を添加する酪酸油脂哺乳(RTB)区(19頭)、本代用乳の給与及び酪酸油脂を2g/日経口投与する酪酸油脂給与(STB)区(19頭)、RTBとSTBの混合(MIX)区(9頭)を設けた。離乳は各区ともに6週齢で統一した。出生後毎日糞便性状を調査するとともに、2週間隔で頸静脈血を採取して内分泌・代謝及び免疫因子動態を調査した。【結果】RTB区の血漿GH及びIGF-1濃度は対照区と比較して高値で推移した。また、代用乳への酪酸油脂添加により糞スコア(下痢症の指標)が低下する傾向が示され、下痢症が予防できる可能性が示唆された。