日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

4. 形態・生理

4. 形態・生理

[P4-34] 日本短角種去勢雄の放牧飼養による耕作放棄地再生評価とその増体特性

〇原島 佑紀1、中村 明未、藤本 玲奈1、野原 香菜1、高橋 辰行1、黒瀬 陽平1、小笠原 英毅1 (1.北里大獣)

【目的】国内には約40万haの耕作放棄地が存在し、利活用の一策としてウシの放牧飼養を行うことは国内の牛肉自給率向上に大きく貢献できる。そこで本研究では、耕作放棄地への日本短角種去勢雄の放牧飼養が、耕作放棄地の植生と増体特性に与える効果を評価した。

【方法】日本短角種去勢雄8頭(育成および肥育期:約18および30ヶ月齢、各4頭)を6月上旬~10月下旬まで耕作放棄地(庄内高原牧場)に放牧した。また、対照として放牧と自給粗飼料100%の肉用牛生産を実施している北里大学獣医学部附属FSC八雲牧場で放牧飼養される日本短角種去勢雄4頭(約20ヶ月齢)を用い、両区とも放牧草を自由採食とした。庄内高原牧場の植生調査(草種の同定および冠部被度)を毎月行い、一部の草種のみ草丈(未放牧地と放牧地)を測定した。また、毎月、体重測定および採血を行い、日増体量、血液性状を評価した。
【結果】耕作放棄地の基幹草種はノコンギクであり、その冠部被度は放牧終了時には80%であった。放牧終了時のノコンギクの草丈は放牧期間依存的に放牧地で低下した。日増体量は育成期で最も高く(0.77±0.10㎏/日)、血液性状は育成および肥育期共に適正範囲内であった。以上より、ノコンギク主体の耕作放棄地における放牧飼養は雑草の生育を抑制し、育成期の日本短角種去勢雄において通常の放牧飼養と同等の増体を得られる可能性が示唆された。