日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

6. 管理・環境

6. 管理・環境

[P6-02] 搾乳ロボット導入による技術指標の変化と適応性に関する研究 - 国内初のブラウン・スイス種を事例に -

遠藤 京香1、延藤 琢真1、牛島 仁1、小澤 壯行1、〇長田 雅宏1 (1.日本獣医生命科学大学)

【目的】国内初となるブラウン・スイス種(以下BS種とする)のロボット搾乳において,ホルスタイン種とは異なる馴致方法や飼養管理技術は明らかにされていない。そこで本研究は,搾乳ロボット導入以前からの経時的データを分析し, BS種におけるロボット搾乳の課題を明らかにする。【方法】調査対象はBS種100頭を飼養し,2019年4月に搾乳ロボットを導入した栃木県A牧場である。牛群検定成績表および搾乳に関する帳票類を用いて,2019年4~11月 (導入初期)および2019年12月~2020年7月(対象期間)それぞれ 8ヵ月間の生産・技術指標を分析した。【結果・考察】馴致期間以降の一頭あたり乳量は増加し,対象期間までにロボット搾乳牛比率は上昇した。しかし,乳成分率の上昇は認められたが,乳量は再び減少した。また,分娩間隔こそ変動はないものの,空胎日数,搾乳日数の延長,さらには受胎率の低下が確認された。これら複合的な要因により乳量が減少したと考えられる。BS種によるロボット搾乳の課題として,乳生産向上のための繁殖成績の改善が求められ,泌乳持続性,繫殖状況を考慮し、早期受胎のための飼養管理を徹底しなければならない。自動搾乳システムのメリットを最大限発揮させるための飼養管理技術の向上が肝要となる。