日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

6. 管理・環境

6. 管理・環境

[P6-27] 飼料原料輸入価格を用いたアミノ酸バランス改善飼料のコスト低減効果の推定

〇荻野 暁史1、日向 貴久2、長田 隆1 (1.農研機構 畜産研究部門、2.酪農大農食環境)

【目的】飼料中のCP含量を下げると共に結晶アミノ酸を添加して飼料中アミノ酸バランスを改善するアミノ酸バランス改善飼料 (バランス飼料)の給与は、窒素排せつ量、そして排せつ窒素に由来する温室効果ガスやアンモニアの排出量を削減することが報告されている。しかし、そのコストについては、慣行飼料とほぼ同等であるという事例はあるが、一般化されていない。そこで、飼料原料輸入価格を用いて肥育豚用バランス飼料のコスト差を推定した。

【方法】飼料価格は輸入価格 (CIF価格)で推定を行った。結晶アミノ酸については、アミノ酸メーカーが公表しているCIF市場価格推定値を用いた。その他の飼料原料単価については、貿易統計を基にALICが公表している飼料原料CIF価格を用いた。飼料組成は、バランス飼料給与試験で使用されたものを用い、2017年度および2018年度についてコストの試算を行った。また、慣行飼料についてCIF価格および小売価格の統計データを用いて、CIF価格から小売価格の推定も試みた。

【結果】今回推定した慣行飼料のCIF価格は1トンあたり30,200~36,000円であり、バランス飼料は慣行飼料と比較して800~1800円、平均で1352円安価であった。慣行飼料についてCIF価格と小売価格の関係を調べたところ、小売価格はCIF価格を説明変数とする一次式で精度良く (r2=0.99)表された。