会頭挨拶
第70回記念大会会頭
八田 一
(京都女子大学)
この度、日本食品科学工学会の第70回記念大会を4年ぶりの対面開催(学術交流会を含む)として、関西支部が担当し、京都で開催させていただくこと、またその会頭を務めさせていただくこと、大変光栄に存じます。大会実行委員を代表し、一言ご挨拶を申し上げます。
私たちが研究開発の対象としている食品は、言うまでもなく、我々の生活になくてはならないものです。しかるに近年、日本の食品に関わる状況は明るさを失い、食料確保や自給率などの観点から将来への不安が高まっています。
日本の少子高齢化の波は止まりません。そもそも食を支える第1次産業が高齢化し、食料自給率も先進国中で最下位が続いています。日本経済は長期に低迷し、格差社会が広がる中、コロナウイルス感染症問題やロシアのウクライナ侵攻による世界情勢の不安が絡みあい、エネルギー価格をはじめ食料品価格の高騰が一気に進んでいます。
このような状況下、日本食品科学工学会の第70回記念大会を対面で開催し、産官学から明るい食品の未来が感じられる話題を発信したいと思います。そして、本学会の設立当初からの特徴でもあります産官学が連携して英智を結集し、少しでも日本の食料事情の改善に役立つヒントが得られましたら、大会実行委員一同、望外の喜びであります。
なお、本会は第70回記念大会であり、その開催主題を「食の未来と科学技術の関わり」といたしました。70周年特別記念講演「世界の食品動向を踏まえた機能性食品産業の未来展望」もこの主題に関連して構成されています。大会期間中の各シンポジウムもこの主題のサブテーマとなるように企画されました。また、一般講演とポスター発表も学会員の皆様のみならず特に未来を担う学生の皆さんが主体的に参加しやすくなるよう、ポスター表彰や参加費の面でも工夫いたしました。
会場となる京都女子大学ではキャンパス整備が完成し、綺麗なテラスや校舎と学生食堂が使えます。8月末の京都はまだ残暑厳しいと思いますが、この3年間のコロナ自粛から久しぶりに解放され、ぜひ日本食品科学工学会の第70回記念大会と学術交流会にも多くの皆様のご参加をお待ちいたします。それでは、8月24日−26日、京都女子大学でお会いしましょう。
(公社)日本食品科学工学会
第70回記念大会 会頭 八田 一
京都女子大学 研究教授