国際開発学会第34回全国大会

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国際教育開発のシングル・ストーリーを乗り越える

実務者と研究者の出会い直しに向けて

2023年11月11日(土) 09:30 〜 11:30 紀-112 (紀尾井坂ビル112)

09:30 〜 11:30

[1I01] 国際教育開発のシングル・ストーリーを乗り越える:実務者と研究者の出会い直しに向けて

*荻巣 崇世1、*川口 純2、*橋本 憲幸3、*興津 妙子4、*坂口 真康5、*関口 洋平6、*林 研吾7、*吉村 美弥7、*村田 良太7、*山上 莉奈7、*山縣 弘照7、*泉川 みなみ7 (1. 上智大学、2. 筑波大学、3. 山梨県立大学、4. 大妻女子大学、5. 兵庫教育大学、6. 畿央大学、7. 国際協力機構)

キーワード:国際教育開発、実務(者)、研究(者)、シングル・ストーリー

1. 企画の背景 Background
本企画は、国際教育開発における実務と研究を架橋し、双方向から国際教育開発という分野を捉え直すことを目的として、特に、若手を中心とする実務者と研究者の相互理解を深めるための対話の機会として企画するものである。2022年度から実施してきた勉強会での議論を通して、研究者側はJICAを単体のアクターと捉える傾向があり、その中で実務に携わる実務者の想いや葛藤に十分に目を向けて来なかったことや、逆に、実務者側は、研究者が生み出す知見や批判的検討を実務の中で十分に活かしきれていないことなど、実務(者)と研究(者)の間には「すれ違い」があることが明らかになってきた。

2. 主要な論点  Main points to be discussed
本企画では、この「すれ違い」の背景に、国際教育開発に関わる人々の葛藤や戸惑い、願いなどの個人的な語りが覆い隠されてきたことがあるのではないかとの仮説に基づき、これへの反省から議論を進める。特に、国際教育開発の中で「研究(者)」と「実務(者)」のそれぞれについて生み出されてきた、一方的で固定的なイメージ(シングル・ストーリー)を批判的に捉え、国際教育開発の語りを具体化・複数化するところから始めてみたい。また、「語られること」だけでなく「語られないこと」にも注意を払い、シングル・ストーリーが何を可能にし、何を不可視化してきたのか、議論を深める。

3. 期待される成果 Expected outcome of the session
本企画は、国際教育開発の実務に携わる若手のJICA職員の報告を中心に、研究者側からも、研究や教育を通して語ること/語らないことに伴う政治性について共有する。こうした個別の語りを持ち寄り突き合わせるなかで、実務者と研究者の関係を再構想する手がかりを見つけたい。同時に、本企画は、国際教育開発の語りをポストコロニアリズムやフェミニズムの視点から捉え直すための理論的な試みとしても位置付けられる。

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