9:30 AM - 11:30 AM
[1J01] The Roundtable on “Lessons Learnt through Conferences held in Local Areas” organized by the Regional Engagement Committee
-Recapturing International Development in view of “Local Values”-
Keywords:Local Innovation× International Development, Local Conference, Symbiotic Society, Sustainability, Redefinition of International Development
キーワード: 地方創生×国際協力、地方大会、共生社会、サステイナビリティ、国際開発学再定義
1.企画の背景
本委員会が設置された 2020~2023 年の間に3回の地方大会(金沢、福岡、秋田)が実施され、地 方の特色を生かしたプレナリーセッションが展開された。
金沢大会では、「おんぼらーっとしまっし。 石川仕立ての創成と共生、そして開発」というテーマ で、能登における地域資源を生かした持続的な地域開発のあり方を問い直すものであった。
福岡大会では、「知っちょるよ、もうやっとるよ SDGs」と題し、筑豊(田川郡川崎町・田川市)で 地域づくりに奮闘する関係者を招き、2030 年に真の持続可能な社会をつくるために必要なことについ て、専門分野の異なる参加者と議論を深めた。
秋田大会では、「世代間のつながりとサステイナビリティ:何を引き継ぎ、何を見直し、次世代に 何を手渡していくのか」というテーマで、持続可能な開発において重視される世代間のつながりにつ いて、先行世代から将来世代までを含めた通時的な視点から、そもそもどのような物事をサステイナ ブルにしようとしているのかについて論じ、大会後には秋田における先行世代を踏まえた新たな地域 づくりにあり方を考えるエクスカーションも実施された。
このように、それぞれの地方大会おいて当該地方の課題や資源に着目した地域づくりの取り組みか ら国際開発のあり方を問う内容であった。
2. 主要な論点
各大会個々ではなく、3つの地方大会に通底するメッセージを踏まえて、以下の点を検討したい。
(1) 地方で大会を実施することにより、国際開発学において何が見えてきたか?地方から国際開 発のあり方を捉え直す有用性は何か?
(2) 国際開発学会の大会を地方で実施する意義とは何か?
(3) 地方で大会を開催するにあたっての課題は何か?地方で意義ある形で持続的に大会を実施し
ていくために必要なことは何か?
本ラウンドテーブルでは、木全より上記背景を踏まえた論点を紹介し、金沢大会で検討された複眼 的な観点から捉えた地域資源を生かした開発のあり方を通して、「国際」よりも「開発」を議論するこ との意義や途上国/先進国の別なく「望ましい(目指すべき)社会の在り方」を問う契機になること を提起する。また、学会の開催自体が、「望ましい社会の在り方」を構成する重要な一要素である他者 への心配り等を通じて人と人との意義深い結びつきを少しずつ醸成していく過程そのものであること も主張する。
佐野からは、構造的矛盾が凝縮された「地方」での「よりよい生」への挑戦が持続可能な開発を考 える契機になること、主催者の資源不足を補う制度があると成り手の裾野が広がることが提案される。
工藤からは、「縮退のなかで何をサステイナブルにするのか」という国内地方が抱える課題の側か ら見える国際開発を読み解き、この問いに取り組む当事者たちとの対話からの学びが提案される。
1.企画の背景
本委員会が設置された 2020~2023 年の間に3回の地方大会(金沢、福岡、秋田)が実施され、地 方の特色を生かしたプレナリーセッションが展開された。
金沢大会では、「おんぼらーっとしまっし。 石川仕立ての創成と共生、そして開発」というテーマ で、能登における地域資源を生かした持続的な地域開発のあり方を問い直すものであった。
福岡大会では、「知っちょるよ、もうやっとるよ SDGs」と題し、筑豊(田川郡川崎町・田川市)で 地域づくりに奮闘する関係者を招き、2030 年に真の持続可能な社会をつくるために必要なことについ て、専門分野の異なる参加者と議論を深めた。
秋田大会では、「世代間のつながりとサステイナビリティ:何を引き継ぎ、何を見直し、次世代に 何を手渡していくのか」というテーマで、持続可能な開発において重視される世代間のつながりにつ いて、先行世代から将来世代までを含めた通時的な視点から、そもそもどのような物事をサステイナ ブルにしようとしているのかについて論じ、大会後には秋田における先行世代を踏まえた新たな地域 づくりにあり方を考えるエクスカーションも実施された。
このように、それぞれの地方大会おいて当該地方の課題や資源に着目した地域づくりの取り組みか ら国際開発のあり方を問う内容であった。
2. 主要な論点
各大会個々ではなく、3つの地方大会に通底するメッセージを踏まえて、以下の点を検討したい。
(1) 地方で大会を実施することにより、国際開発学において何が見えてきたか?地方から国際開 発のあり方を捉え直す有用性は何か?
(2) 国際開発学会の大会を地方で実施する意義とは何か?
(3) 地方で大会を開催するにあたっての課題は何か?地方で意義ある形で持続的に大会を実施し
ていくために必要なことは何か?
本ラウンドテーブルでは、木全より上記背景を踏まえた論点を紹介し、金沢大会で検討された複眼 的な観点から捉えた地域資源を生かした開発のあり方を通して、「国際」よりも「開発」を議論するこ との意義や途上国/先進国の別なく「望ましい(目指すべき)社会の在り方」を問う契機になること を提起する。また、学会の開催自体が、「望ましい社会の在り方」を構成する重要な一要素である他者 への心配り等を通じて人と人との意義深い結びつきを少しずつ醸成していく過程そのものであること も主張する。
佐野からは、構造的矛盾が凝縮された「地方」での「よりよい生」への挑戦が持続可能な開発を考 える契機になること、主催者の資源不足を補う制度があると成り手の裾野が広がることが提案される。
工藤からは、「縮退のなかで何をサステイナブルにするのか」という国内地方が抱える課題の側か ら見える国際開発を読み解き、この問いに取り組む当事者たちとの対話からの学びが提案される。
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