国際開発学会第34回全国大会

講演情報

ポスター発表

ポスター(コアタイム11:45-12:45)

2023年11月11日(土) 09:30 〜 13:00 Poster1 (2号館5階学生食堂)

*11:45-12:45をコアタイムとして設定していますので、発表者の方々は、この時間に会場で来場者からの質問等にご対応頂ければ幸いです。
*ポスターは懇親会中もご覧いただけます (18:30-20:30)。

[1R22] グローバル企業経営戦略・GVCMとの連携による産業発展に関する「発展経営論」試論

*竹野 忠弘1 (1. 名古屋工業大学)

キーワード:VCM、自動車製造業

1.研究の背景・理論的関心とリサーチクエスチョン:VCと各国産業発展との連携方法
Value Chainと地域産業との関係について、従来の開発経済をめぐる議論においては、⑴VCを価値付加Value Additionの経済取引活動の連鎖Linksとして捉え、⑵この付加価値活動の鎖Linkに参加することによって成長をいかに図るかに関心がはらわれてきた。
これに対して本研究では、補完調達による協同Collaboration・産業経営関係として編成される場合、自律的な各国産業発展が実現されることを提起する。さらにこうした自律的な各国の産業発展を促すGVCとの連携的関係構築を可能とするグローバル企業戦略GVCMの展開およびそれに対応する地域産業側の経営方法を「発展経営論」として提起する。
2.資料・情報および分析方法:ASEANの企業戦略展開事例のGVCM論による再検討
Innovative International Multipurpose Vehicle Projectという日系企業A社がASEAN地域を軸に展開する経営戦略をGVCとして、またASEAN諸国の自動車産業を各国産業として事例により検討する。さらに企業の経営戦略によると各国産業の自律的発展とが連携できた要件・構造について分析する。
3.得られた知見:経済取引規制政策論から発展経営論への開発論のパラダイム転換
開発経済学では、GVCと各国産業の成長との関係は、GVCで生産された付加価値の分配取引をめぐる政治政策・経済制度の問題として検討されてきた。
これに対して、本研究では、GVCMと各国産業の発展との関係について、自律共生実現に向けた製造業事業経営論・同戦略論として検討した。その結果、GVCMと各国産業との連携化は、グローバル企業側の製造・製品設計における「モジュール」設計革新によって、各国産業における部品集積の「不均等」構造が緩和されたことによって実現した。すなわち政治的な理念である自律共生・発展は、経済取引上の合理性に基づく政策的制度的調整によってではなく、環境変化に対する日々の事業経営対応の累積によって達成されたという点が得られた知見である。

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