国際開発学会第34回全国大会

講演情報

ラウンドテーブル

なぜ日本で「国際開発」を学ぶのか

—韓国・中国の(元)留学生の経験から紡ぎ出すその答え

2023年11月12日(日) 09:30 〜 11:30 紀-B108 (紀尾井坂ビルB108)

09:30 〜 11:30

[2D01] なぜ日本で「国際開発」を学ぶのか——韓国・中国の(元)留学生の経験から紡ぎ出すその答え

*汪 牧耘1、*大山 貴稔2、*松本 悟3、*キム ソヤン4、*劉 靖5、*呉 靖媛1 (1. 東京大学、2. 九州工業大学、3. 法政大学、4. ソガン大学、5. 東北大学)

キーワード:(元)留学生、国際開発、人材育成、日本、経験

1. 企画の背景 Background
国際開発分野の影響力や学術的な発信力といった点からみると、日本がもつ優位性は必ずしも自明ではない。それにもかかわらず、なぜ日本語を学び、日本で国際開発について学ぶ留学生が多くいるのか。それらの留学生は、どのような経緯で来日し、日本での勉学・生活においていかなる悩みを抱えており、何を得たり失ったりしてきたのか。今日に至り、留学生はただの日本における国際開発知の「消費者」だけではなく、「生産者」にもなりつつある。しかし、その経験の多様性・属人性に特化した議論はほとんど見当たらない。

2. 主要な論点  Main points to be discussed
本ラウンドテーブル(RT)は、JASIDの人材育成委員会の「なぜ日本で国際開発を学ぶか」という企画の中間報告である。本企画は、2023年の2月から実施されており、計12人の(元)留学生の協力をもとにインタビューが行われてきた。本RTはその結果を踏まえながら、留学生がもつ重層的な体験と多変な価値の捉え方を可視化し、「人材育成の場としての日本」の特性を浮き彫りにすることを試みる。 
当日の発表は、①「“Made in China, Recycle in Japan?”———留学の『成功例』とは何か」、②「越境者の思い———イギリスと韓国から日本を包み直す」という2つのテーマに基づく元留学生の経験談と、③「留学生は『国益』になるか———行政・研究・教育現場からの考察」を題する日本人教員の思考の共有から構成される。それに加えて、現在留学中のコメンテーターに、日本で国際開発を学ぶ意味の変遷を観測する補助線を提示してもらう。

3. 期待される成果 Expected outcome of the session
本RTは以上の発表および議論を通して、日本が「国際開発」を学ぶ場としての意義をそれが構築される文脈から理解し、外国人を含めた知的コミュニティの生成に資することを期待している。それを踏まえて、「国際開発人材」に対する理解の幅を拡げ、JASIDの人材育成の場としての豊かさと乏しさを明らかにする。

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