国際開発学会第34回全国大会

講演情報

企画セッション

Emerging and Advocating Donors? (English)

2023年11月12日(日) 12:45 〜 14:45 紀-112 (紀尾井坂ビル112)

12:45 〜 14:45

[2I02] Emerging and Advocating Donors?: The cases of Venezuela, Colombia, and NGO

*岡部 恭宜1、*サバルセ カルロス1、*林 明仁3、*ゴメズ オスカル2、*北野 尚宏4 (1. 東北大学、2. 立命館アジア太平洋大学、3. 上智大学、4. 早稲田大学)

キーワード:新興援助主体、提唱する援助主体、伝統的援助主体、国家、NGO

本企画は、従来の新興援助国研究ではあまり注目されてこなかったベネズエラ、コロンビア、NGOを取り上げ、その実態や特徴を明らかにする。これらは、新興の援助主体であるだけでなく、伝統的な援助国に異を唱え、従来の援助構造の変革を追求する意味で、"Emerging and Advocating Donors" と呼びうるものである。本企画はこの概念の下に国家および非国家主体を総合して捉え、新興援助国研究に貢献したい。
 まずベネズエラは、チャベス大統領(1999〜2013年)の時代に南南協力を積極的に推進するとともに、米国に対抗して、中南米での新たな経済秩序の形成に取り組んだ。サバルセ会員は、同国政府関係者に対する広範なインタビュー結果を利用し、南南協力に関する政府の動機、外交政策上の位置付けや意義について分析を行う。
 次にコロンビアは、中南米では比較的経済規模が大きく、2020年にはOECD加盟も果たしたが、その割には開発援助に果たす役割はまだ限定的である。その原因についてゴメズ氏は、開発協力に関する政府の制度や組織の歴史分析を通じて検討する。なお、ゴメズ氏は非会員ではあるものの、コロンビアの援助研究の第一人者であり、専門性の点で余人を持って代えがたいことから、本企画での発表を強く希望する。
 NGO、とくに北のNGOは、国家とは異なる援助アプローチを取る主体として長い歴史を有する一方で、伝統的な援助国や南のNGOとの関係について、その不均衡な力関係が批判されてきた。林会員は、近年NGOコミュニティの内外でこうした関係を再検討し、改革する動きが見られることを紹介し、批判的に検討する。
 これらの発表に対して、討論者の北野会員は、中国を中心とした新興援助国の研究実績を踏まえてコメントする予定である。もう1名の討論者である岡部会員は、比較政治学や国際ボランティア研究の観点から論評を行う。なお、岡部は司会を兼ねる。

パスワード認証
報告論文や要旨の閲覧にはパスワードが必要です。パスワードを入力して認証してください。

パスワード