国際開発学会第34回全国大会

講演情報

企画セッション

開発途上国におけるミクロ実証分析

2023年11月12日(日) 12:45 〜 14:45 紀-115 (紀尾井坂ビル115)

12:45 〜 14:45

[2J02] 開発途上国におけるミクロ実証分析

*島村 靖治1、*佐藤 希2、*劉 子瑩1、*樋口 裕城3、*倉田 正充3、*會田 剛史4 (1. 神戸大学、2. 愛知学院大学、3. 上智大学、4. 一橋大学)

キーワード:実証分析、ミクロデータ、インド、インドネシア、インドシナ半島

本企画セッションでは、開発途上国が抱える様々な課題に対し、家計や個人といったミクロレベルのデータを用いた実証分析を行うことによりその解決に貢献することを目的としている。本企画セッションでは事例としてインド、インドネシア、そしてインドシナ半島の3ヵ国(ベトナム、カンボジア、ラオス)をとり上げる。第一の発表では、インド農村部における女性の婚姻時の問題に関する実証分析を紹介する。特に、女性のエンパワーメントを目的として行われている女性自助組織活動に母親が参加することで、娘の婚姻年齢に影響を及ぼしたのかどうかを検証する。第二の発表では、インドネシア・ジョグジャカルタ郊外で活動する医療ボランティアへ感染症予防のための情報介入(ナッジ)を行い、彼らの感染症予防行動にどのような変化が生じたのかを検証する。第三の発表では、インドシナ半島諸国において実施した独自調査データを用いて、特に患者と医療従事者のリスクおよび時間選好に着目し、患者が村落医療施設で受けた医療サービスに対する満足度について分析を行う。現在、貧困問題解決のためにエビデンス(科学的な根拠)に基づく政策形成(EBPM:Evidence-based Policy Making)が世界的な潮流となっており、多くの研究者が貧困削減のためのエビデンスの蓄積を進めている。本企画セッションは、それぞれの国で収集されたミクロデータを用いた実証分析を通じて、政策目標の実現に向けた有益な政策的示唆を引き出そうとするものである。

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