国際開発学会第34回全国大会

講演情報

一般口頭発表

社会開発、コミュニティ(日本語)

2023年11月12日(日) 09:30 〜 11:30 紀-412 (紀尾井坂ビル412)

座長:小早川 裕子(東洋大学) コメンテーター:藤掛 洋子(横浜国立大学)、松丸 亮(東洋大学)

11:00 〜 11:30

[2O04] 潜在的に田園回帰志向を持つ人の要因分析 -地方に関心のある大学生に魅力的な地方自治体の施策とは-

*戸川 椋太1 (1. 立命館大学大学院)

キーワード:田園回帰、人口移動、一極集中、地方移住、移住施策

日本の人口は減少傾向にあるが,地方圏から大都市圏(特に東京圏)への人口移動は依然として継続している。 かつては、東京圏の大学に進学しても就職時に地元に帰る動きも見られたが、 近年そうしたUターンが減少する一方、地方大学の卒業生が東京圏へ移動する傾向が強まっていることが指摘されている。このような状況のため、地方、過疎地域へ移住する可能性のある人の重要視する点、移住希望者に向けて地方自治体が行うべき施策を本研究では明らかにする。 これまでの研究では、大学生を対象としたアンケート調査、分析を行い、地方・過疎地域での居住を潜在的に望んでいる人の特徴を明らかにした。 特徴として、「一軒家に居住したいと考えている」、「学習時間が長い」ということが判明していたので、本研究ではそれをさらに細かく分析した。一軒家に居住したい人は、「ペットを飼いたい」という理由からこの選択肢を選んだという傾向にあることが判明した。学習時間が長い人は、「公務員試験などの就職対策」に時間を使っていることが判明し地方での居住を目標に学習時間が増えていることが判明した。 次に、地方自治体が大学生に向けて地域をアピールする際に重視するべき点について分析した。 地方移住を考える際に重視するものを調査したところ、「子育て環境が整っている」「自然災害のリスクが少ない」「人が密集していない」などが選ばれた。このことから、地方自治体は「子育て支援の強化」を行い、「災害の少なさ」や「都会の喧騒から離れている」という宣伝を行うことで大学生に効果的に地域のアピールができる。 逆に不安に感じることを調査したところ、「公共交通機関が少ない」「買い物が不便」などが多く選ばれた。地方自治体は「公共交通機関の減少を防ぐ」「生活利便性の高い地域の物件をリフォームし移住者にアピールする」などの施策を行うことが重要になる。

パスワード認証
報告論文や要旨の閲覧にはパスワードが必要です。パスワードを入力して認証してください。

パスワード