国際開発学会第34回全国大会

講演情報

ラウンドテーブル

2023 JASID世銀協議

2023年11月12日(日) 12:45 〜 14:45 紀-413 (紀尾井坂ビル413)

12:45 〜 14:45

[2P01] 2023 JASID世銀協議

*玉村 優奈1、*松本 悟2、*大芝 亮3、*柴田 英知4、*田辺 有輝5、*米山 泰揚6 (1. 東京大学、2. 法政大学、3. 広島市立大学 広島平和研究所、4. 歩く仲間、5. JACSES、6. 世界銀行)

キーワード:世界銀行、定期協議、対日融資、NGO、仲介者

1. 企画の背景 Background
本企画は、第34回国際開発学会全国大会のテーマ「複合的危機下における連帯と共創」を世界銀行と日本の関係から捉えることの重要性から考案された。日本が1952年に世界銀行に加盟してから70年以上が立ち、第二次世界大戦後の対外援助政策と経済的危機、愛知用水を筆頭とする経済的危機を乗り越えるための世界銀行の対日融資と地域住民の連帯、1990年以降の湾岸危機と外交手段としてのODAへの転換、NGOと外務省や大蔵省間での「定期協議」の発足といった官民連帯の軌跡や「危機」を見つめ直し、どう乗り越えるかを話し合うことが、世界的な疫病の蔓延や不安定な国際情勢、日本のODA大綱改訂と対外援助の変化が生じている今こそ、求められている。
2. 主要な論点  Main points to be discussed
・「世界銀行の過去の対日融資と現在」過去の対日融資の愛知用水の事例から現在の世界銀行の開発事業を再考する。
・「 現場からみえる人間関係と仲介者のはたらき 」 制度改訂や提言活動、定期協議、世界銀行の事業を進めるなかで重要な役回りと協力関係。各登壇者の世界銀行と日本の仲介者としての活動略歴(実務、研究、調査、役割)および問題意識や直面した問題、教訓。
・「協議とは何か、対話とは何か」 新たなステークホルダー間の連帯への展望と教訓。
・「世界の中の日本」世界銀行のシェアホルダーとしての日本政府の在り方、二国間協力と多国間協力の限界と可能性。
3. 期待される成果 Expected outcome of the session
本ラウンドテーブルの目的および期待される成果は、主に3つある。 一つ目は、「世界銀行と日本」という切り口から、異なるステークホルダーの仲介者(日本政府と世界銀行、大蔵省とNGO、対日世銀融資の仲介者への研究、研究と実務家という2つの顔を持つ人、世界銀行の制度改革に現場の声を反映させようとしてきた人、世界銀行の経験を日本の制度に反映させようとしてきた人)として取り組んできた登壇者の経験を共有する立場を超えた知的な「連帯」の醸成である。 二つ目は、世界銀行と日本について議論し、過去の反省やそれぞれの「危機」にかんする教訓から学び合う「共創」の場の提供である。 三つ目は、これまでにない世界銀行関係者と研究者、NGOの「連帯」と「共創」の場でオーディエンスも巻き込みながらそれぞれが考える危機をいかにして乗り越えるかという新たな連帯と知の可能性を切り拓く場をつくることである。

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