日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. 栄養・飼養

[P1-10] 暑熱ストレス下の乳牛におけるバイパスビタミンC、活性型酵母等を含む混合添加物給与による代謝改善効果の検証

〇吉田 智佳子1、伊藤 有希菜1、佐藤 駿介1、星野 由芽1、田中 繁史1、西川 孝一1、國實 寿典2、田川 伸一2 (1.新潟大学農学部、2.清水港飼料株式会社)

【背景】暑熱ストレス下における、乳牛の生産性の低下を軽減する可能性が示唆される飼料添加物に、バイパスビタミンC、パントテン酸、飼料用酵母、カビ毒吸着材がある。本研究では、これらを含む混合飼料(ビタミンC混合飼料、VCM)を給与し、暑熱条件下の乳牛のストレス軽減について検討した。【材料と方法】大学附属農場において泌乳期のホルスタイン種乳牛13頭を用い、4月から11月にかけて試験を実施した。試験牛はタイストール、分離給与で管理され、体重と乳量に応じて配合飼料の給与量を設定した。試験区には、VCM 650gを給与し、その分配合飼料の給与量を減じた。試験期間中の牛舎内の温湿度指数(THI)、月1回の間隔でDMI、膣温、乳量、乳成分、血液成分、膣温を測定した。【結果】THIの値は、6月上旬から72以上を示し始め、9月中旬まで続いた。8月中旬に82に達した。DMIは9月に減少したが、両区で差はなかった。膣温は8月に試験区で上昇がみられた。暑熱期の乳量および乳質の低下は見られなかった。体細胞数は試験期間を通して試験区で低値を示した。血液成分は、対照区において暑熱期にGOT、GGTおよびTPの値が上昇する傾向、T-ChoおよびALBで減少の傾向がみられたのに対し、試験区では変動が少なかった。暑熱条件下の乳牛において、VCM給与により、代謝が安定し乳量や乳質低下が軽減される可能性が示唆された。