日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

1. 栄養・飼養

1. 栄養・飼養

[P1-47] 母豚へのミールワーム粉の給餌が乳成分および哺乳子豚体重に及ぼす影響の評価

〇山岡 光流1、中島 稔生1、為平 紗也1、矢野 公伸2、川﨑 淨教1 (1.香川大農、2.香川大農附属農場)

【目的】近年、魚粉に代わる動物性タンパク質源として昆虫の利用が期待されている。しかし豚への昆虫の給餌に関する知見は不足しており、母豚への昆虫の給餌が母乳成分や哺乳子豚に及ぼす影響は不明である。そこで、本研究では昆虫粉末のうちミールワーム粉を母豚に給餌し、母乳中成分および哺乳期間中の子豚の増体重を測定した。【方法】分娩予定日1週間前の母豚8頭(n=4)とその子豚を供試した。なお、対照区には基礎飼料(魚粉2%含有)を、試験(M)区には基礎飼料の魚粉とミールワーム粉を代替した飼料を分娩日まで3.0kg/日、分娩日から離乳日(28日齢)まで6.0 kg/日与えた。子豚の体重測定および母乳の採取は分娩日および離乳日に行った。母乳中の粗タンパク質はケルダール法、粗脂肪はレーゼ・ゴットリーブ法により測定し、ミネラルは母乳を湿式灰化後、原子吸光分光光度計を用いて測定した。なお、リンはモリブデンブルー法により測定した。また、母乳中乳糖含量は市販のELISAキットを用いて測定した。【結果】子豚の増体重はM区が高値を示したものの、群間に有意差はみられなかった。また、母乳中の粗タンパク質含量や粗脂肪含量、ミネラル含量、乳糖含量にも群間で有意差はみられなかった。これらのことから、ミールワーム粉は母豚飼料中の魚粉と代替しても母豚や哺乳子豚に悪影響を及ぼさず、母豚の飼料原料として利用可能であることが示唆された。