日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. 遺伝・育種

[P2-10] 黒毛和種繁殖雌牛の生涯当たりの利益関数作成の試み

〇北島 優1、小川 伸一郎2、斉藤 隼人3、上本 吉伸2、佐藤 正寛2 (1.東北大農、2.東北大院農、3.宮城県農政部畜産課)

【目的】黒毛和種では、繁殖雌牛における初産月齢(AFC)の早期化および分娩間隔(CI)の短縮等による生涯生産性の向上が推進されている。本研究では、繁殖雌牛の生涯利益を表現する関数の作成を試みた。【方法】繁殖雌牛の生涯利益として、①種付け時点から肥育素牛の子牛市場出荷(約10か月齢)までと②肥育素牛の導入時点からと殺(約30か月齢)までの2行程における収入(R)と支出(C)の差に着目した。Rは子牛生産頭数、と殺頭数、子牛価格、枝肉単価(CUP)、枝肉重量(CW)等を、Cは子牛生産頭数、と殺頭数、子牛価格等を含む関数とした。子牛生産頭数およびと殺頭数は、繁殖雌牛の生産寿命、AFCおよび平均CIの関数とした。2001年から2014年の間に枝肉市場へ出荷された肥育牛38,192頭のデータを用いて、CUPを目的変数、CW、ロース芯面積およびBMSナンバー(BMS)の1次項を説明変数とした重回帰式を作成し、利益関数に含まれるCUPと置換した。【結果】CUPに関する重回帰式では、BMSの寄与率が最も高かった。作成された利益関数は、分母が平均CI、分子がCWの2次項とその他の変数の1次項で表されたことから、CIが短い、またはCWが大きいほど改良した際の利益の変動が大きいと考えられた。