日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

2. 遺伝・育種

2. 遺伝・育種

[P2-11] 乳用牛群検定記録から推定した飼料効率の遺伝的パラメーター推定

〇西浦 明子1、佐々木 修1、相原 光夫2、岡 太郎3、武田 尚人1 (1.農研機構畜産部門、2.家畜改良事業団、3.日ホ協会)

【目的】乳牛において、効率的な乳生産のためには、飼料効率を改善することが重要である。本研究では牛群検定における泌乳記録などを用いて推定した推定体重(EW)と推定乾物摂取量(DMI)、および乳量をDMIで除した飼料効率(FE)の遺伝的パラメーターと遺伝的趨勢を明らかにした。【方法】遺伝率の推定には、体重計により体重を測定している25農場1,447個体2,280乳期20,035記録を、育種価(EBV)の推定には、1,047農場26,546個体38,907乳期371,263記録を用いた。乳期を全乳期、泌乳前期(6-105日)、泌乳中期(106-205日)、泌乳後期(206-305日)の4つに分け、EW、DMI、FEの乳期ごとの平均値をそれぞれ形質とした。遺伝的パラメーター推定モデルでは、牛群検定日を母数効果、産次・分娩時月齢と分娩月を母数回帰効果、個体の育種価と恒久的環境効果を変量効果とした。【結果】EWの遺伝率は、乳期を通して0.30程度であった。DMIの遺伝率は泌乳前期で0.10と低く、泌乳後期に0.22と高くなり、全乳期では0.14であった。FEの遺伝率は乳期を通して0.30程度であった。種雄牛のFEのEBVの生年ごと平均値は、年次が進むにつれ上昇する傾向を示したが、その傾向は泌乳後期で前期より強かった。