日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

3. 繁殖・生殖工学

3. 繁殖・生殖工学

[P3-10] デヒドロエピアンドロステロンの投与が黒毛和種体内胚採取成績に及ぼす影響

〇飯盛 和也1、藤原 謙一郎2、山口 大輔1 (1.茨城畜セ、2.茨城鹿行家保)

【目的】ヒトの生殖医療分野において、過剰排卵処理に対する卵巣の反応性が低下した患者にデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)を投与することで回収卵数が増加し、胚の品質も向上することが報告されている。しかしながら、ウシにおいてはDHEAに関する報告が少なく、その効果が明らかになっていない。そこで、黒毛和種繁殖雌牛へのDHEA製剤の投与が体内胚採取成績に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。【方法】当センター飼養の黒毛和種繁殖雌牛をDHEA製剤投与区及び非投与区でそれぞれ延べ10頭供試した。過剰排卵処理は卵胞刺激ホルモンを漸減投与することにより実施し、DHEA製剤投与区においては過剰排卵処理開始と同時にDHEA製剤200mgを注射用水10mlに融解したものを皮下内に投与した。人工授精後6.5日目に体内胚採取を行い、その成績を比較した。【結果】DHEA製剤投与区において、平均回収卵数は13.4個、平均受精卵数は8.6個、平均正常胚数は6.6個であった。DHEA製剤非投与区において、平均回収卵数は6.0個、平均受精卵数は4.9個、平均正常胚数が2.9個であった。この結果より、平均回収卵数はDHEA製剤を投与することによって、有意に増加することが明らかとなった。また、平均受精卵数及び平均正常胚数は有意な差がみられなかったものの、DHEA製剤を投与することによって、増加する傾向がみられた。