The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

3. 繁殖・生殖工学

3. Reproduction/Reproductive technology

[P3-17] 胚が時期特異的に分泌するIFNTの母子細胞の物理的接触による発現制御

〇Ayami Yamada1, Yuta Matsuno1, Kazuhiko Imakawa1 (1.Tokai Univ.)

反芻動物において,着床期に胚トロホブラスト細胞から分泌されるインターフェロン・タウ(IFNT)は,黄体退行抑制因子として機能し,母親の黄体機能の維持に関与して妊娠を維持させていることより,母親の妊娠認識シグナルとして知られている.このIFNTは時期特異的に発現され,着床の時間軸で見ると,胚と子宮内膜の接着が起こると発現が減少することが明らかとなっている.さらに,IFNTの上流域にはCDX2の結合サイトが存在しており,CDX2を強制発現または抑制すると,IFNTの発現が変化することが知られている.しかしながら,IFNTがどのようなメカニズムによって発現が変化するのかは未だ明らかとなっていない.そこで,IFNTの発現と胚と子宮内膜細胞の物理的な接触に着目した.ウシ子宮内膜細胞とトロホブラスト細胞(CT-1細胞)での共培養系システムにおいて,セル・カルチャーインサートを用いて,胚と子宮内膜の接触の有無におけるIFNTおよびCDX2の発現の変化を検証した.その結果,セル・カルチャーインサートを用いて母子細胞間の接触を阻害すると,IFNTおよびCDX2の発現は維持された.しかしながら,両細胞が接触できる状況下ではIFNTおよびCDX2の発現は抑制された.このことから,時期特異的なIFNTの遺伝子発現抑制には,胚と子宮内膜の接着現象が関与していることが示唆された