日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

4. 形態・生理

4. 形態・生理

[P4-31] 離乳期子牛へのキイチゴ給与による血漿中IgMおよびIgG濃度への影響

〇西山 佳南恵1、今西 弘幸1、伊藤 謙1、渡邊 潤1、横尾 正樹1、佐藤 勝祥1 (1.秋田県大院生物資源)

【目的】離乳期の子牛は免疫力が未成熟であり,様々な疾病にかかりやすい.子牛の免疫力を低下させる要因の1つとしてビタミンE不足が知られている.そこで,本研究ではビタミンEが豊富なキイチゴに着目し,離乳期子牛へのキイチゴ給与による血漿中IgMおよびIg G濃度への影響を検討した.【方法】給与区には黒毛和種3頭と日本短角種3頭を,対照区には日本短角種5頭を供試した.供試動物はすべて2頭ずつの舎飼いとし,サイレージと自家配合飼料を1日2回,9:00と16:00に給餌した.水と鉱塩は自由摂取摂取とした.キイチゴ(ヘリテージ種)の給与量は2g/kg・BW/日とし,凍結乾燥後に粉砕し,配合飼料に混ぜて給与した.給与期間は2週間とし,試験開始前から2週間ごとに3回採血し,血漿中IgMおよびIgG濃度を測定した.【結果】キイチゴ給与区では給与後にIg M濃度が低下し,IgG濃度が増加する傾向にあった(いずれもP<0.10).対照区の給与後はIg M濃度が給与前と比較すると有意に低下していたが(P<0.05),IgG濃度は全ての期間で大きな変動はなかった. IgMはIgGの増加と共に生産量が減ることが知られており,黒毛和種においてはビタミンEの投与は抗体の生産に影響を及ぼすことが報告されている.これらのことから,キイチゴに含まれているビタミンE等がIg Mのクラススイッチに影響を与えた可能性が示唆された.