日本畜産学会第128回大会

講演情報

ポスター発表

4. 形態・生理

4. 形態・生理

[P4-33] 5ヶ月間の放牧飼養が日本短角種大腿二頭筋の脂肪滴含有筋線維およびCD36発現筋線維の構成割合に与える影響

〇野原 香菜1、藤本 玲奈1、原島 佑紀1、高橋 辰行1、小笠原 英毅1 (1.北里大獣医)

【目的】北里大学獣医学部附属FSC八雲牧場では放牧と自給粗飼料のみで肉用牛を生産している。我々は過去の大会で日本短角種の大腿二頭筋において、2ヶ月間の放牧飼養で脂肪酸トラスポーターであるCD36を介して筋線維内に小型の脂肪滴が蓄積(脂肪滴含有筋線維の増加)することを報告した。本研究では放牧開始から5ヶ月目までの大腿二頭筋における脂肪滴含有筋線維とCD36発現筋線維の構成割合を解析した。【方法】日本短角種去勢雄(約18ヶ月齢)を用いて、放牧区および舎飼区を設置した(各8頭)。放牧区は放牧草を自由採食、舎飼区は直刈り青草を飽食給与した。放牧開始前(5月)、中期(7月)および終期(10月)に大腿二頭筋(近位部および中遠位部)をバイオプシー法で採取し、組織化学的手法により脂肪滴含有およびCD36発現筋線維の構成割合を算出した。【結果】CD36発現筋線維は時期、飼養管理に関わらず、近位部および中遠位部でそれぞれ約40および20%の構成割合であった。また、放牧開始前、中期および終期での脂肪滴含有筋線維の割合は、近位部でそれぞれ28.2、26.8および39.5%、中遠位部でそれぞれ6.1、12.9および16.7%であった。以上より、CD36発現筋線維は放牧期間および飼養管理に関わらず一定の割合で存在し、放牧飼養での脂肪滴含有筋線維の増加動態は部位により異なることが明らかとなった。