The 128th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

4. 形態・生理

4. Morphology/Physiology

[P4-43] 産卵期のニワトリおよびウズラにおけるIgY受容体「PLA2R」の発現局在解析

〇Ryo Sasaki1, Misato Kobayashi1, Fumihiko Horio1, Atsushi Murai1 (1.Nagoya Univ., Grad. School of Bioagr.)

[目的]母ドリの卵巣で血中IgY抗体は選択的に卵黄へ輸送されるが、その仕組みは不明である。ホスホリパーゼA2受容体(PLA2R)は胚発生期の卵黄嚢膜でIgY受容体として機能し、IgYを胚の循環血に輸送する。母ドリでは、PLA2Rが卵巣でのIgYの輸送ならびに血中IgYの代謝寿命の両方を制御するとの仮説を立て、PLA2Rの卵巣および各種組織での発現局在を調査した。
[方法]実験1:ウサギ抗PLA2R抗体を作出し、これを用いて免疫組織染色法により産卵鶏の各種組織におけるPLA2Rの発現局在を解析した。実験2:抗PLA2R抗体およびウズラ血管内皮細胞マーカーのQH1抗体を用いて、産卵ウズラにおけるPLA2Rと血管内皮細胞との共局在を解析した。
[結果]実験1:卵胞組織では、PLA2Rの免疫陽性反応が卵胞膜内層の基底膜付近で検出された。また、肝類洞など血管系の内皮細胞および脾臓や小腸のリンパ球でも陽性反応が検出された。実験2:実験1と同様にPLA2Rの陽性反応が卵胞膜内層で確認された。QH1の免疫陽性反応は卵胞膜外層周縁部および内層基底膜付近で見られ、PLA2Rの陽性反応と部分的に重複した。
[結論]PLA2Rが卵巣の卵胞膜内層基底膜付近に発現しており、毛細血管内皮と共局在する可能性が示された。また、PLA2Rが血管系内皮細胞やリンパ球など幅広い組織や細胞で発現することが判明した。