日本畜産学会第128回大会

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5. 畜産物利用

5. 畜産物利用

[P5-07] ガセリシンT・S構造遺伝子の塩基配列決定とその変異体の検索

〇納谷 遥南1、岡井 里夏、原田 悠暉、内藤 豪2、川井 泰1,2、増田 哲也1,2 (1.日大生資科、2.日大院生資科)

【目的】ガセリシンT・S(GT・GS)はヒト腸管由来の乳酸菌Lactobacillus gasseriから生産される二成分性のバクテリオシン(抗菌ペプチド)である。これまでGT・GS遺伝子の塩基配列をLb. gasseri LA158とLA327の2株より解読し、またGT・GS遺伝子保有株の抗菌活性値は各株間で異なることを明らかにしてきた。本研究では抗菌活性値の異なる原因がGT・GSの変異である可能性を含めて、当研究室保有のLb. gasseriにおけるGT・GS構造遺伝子(gatAXgasAX)の塩基配列決定と各変異体の探索を試みた。

【方法】Lb. gasseri JCM株(12株)のchrDNAを鋳型としたPCR増幅後にサンガーシーケンス法でgatAXgasAXの塩基配列を決定した。また、得たアミノ酸配列についてGOR法を用いて二次構造を予測した。

【結果】GTで12株、GSでは4株の塩基配列を決定したところ、gatAXgasAに変異は見られなかったが、JCM 1130、5344の2株においてgasXで172番目の塩基AがG(アミノ酸では成熟体GasXの42残基目TがA)になった置換変異体が確認された。また、GasX(T42A)の二次構造予測からは野生型GasXの42残基付近に見られたC末端のターンが変異型GasXで消失しており、GSの抗菌活性に何らかの影響を及ぼす可能性が示唆された。