日本畜産学会第128回大会

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ポスター発表

5. 畜産物利用

5. 畜産物利用

[P5-19] カタラーゼ試験による肉製品の加熱履歴の確認(第2報)

〇藤澤 希1、原 勇一2、藤田 颯人 2、遠藤 明仁1、西口 明子1、川井 泰2、増田 哲也2 (1.農林水産省動物検疫所、2.日大生資科)

【目的】悪性の家畜伝染病の発生地域から肉製品を輸入する場合は、70℃以上で1分以上等の加熱処理の実施が定められている。第126回大会でカタラーゼ(CAT)試験の導入を検討し、約65~70℃で1分の加熱で失活すると発表した。今回は追加の検証として、加熱温度と時間の変更、長期保存肉及び加工品でのCATの残存状況を確認し、更に、現場で実施可能なより実用的な方法を検討した。

【方法】(1) 低温長時間加熱:牛、豚、鶏肉をCATの失活温度より5~10℃低温で1~10分間加熱し、CAT試験を実施した。(2)長期保存:-30℃及び-80℃で1年以上保存した肉のCAT試験を実施した。 (3)①様々な食肉加工品でCAT試験を実施し、②①の陽性検体を70℃で1分加熱した場合にCATが失活するかを検証した。(4)実用的な方法の検討:前処理方法の検討として、従来のホモジナイズ検体と細切した肉検体とを比較した。

【結果】(1) 失活温度以下でも加熱時間が長くなるとCATは失活した。(2)長期保存でもCATは存在した。 (3)①ドライソーセージや塩蔵肉等、未加熱と目視される検体は全てCAT陽性となり、②陽性検体を加熱した場合99%が陰性となった。(4) 2種の前処理方法の比較では、約90%で同一の結果が得られ、残り9.8%は細切のみ陽性となった。
 以上の結果より、輸入畜産物の加熱確認検査としての利用が期待される。