3:45 PM - 4:00 PM
[3Hp-07] Evaluation of appropriate hours for incubation and fermentation of homemade bread using Saccharomyces cerevisiae collected in the natural environment
Keywords:Homemade Bread, Saccharomyces cerevisiae
【目的】
果実や花からの酵母を用いた天然酵母パンは,独特な風味や消費者の健康志向と相まって人気を集めている.しかし,従来の製パン法では長時間の培養と発酵を必要とする.そこで本研究では,その製パン効率化に向けて,パン生地が安定して発酵する培養・発酵時間を検証した.
【方法】
まず,パン生地の膨らみが最大となる発酵時間を検証した.市販のヒマワリ由来酵母をコントロールとし,本研究室で取得した18種類のSaccharomyces cerevisiaeを用いた.YM培地に酵母を植菌し,27℃で3日間静置培養した(前培養).さらに5倍希釈のミックスジュースを加え27℃で24時間静置培養し(本培養),酵母溶液とした.酵母溶液と小麦粉を混合・成型してメスシリンダーに移し,27℃で発酵させた.膨らみの測定は3時間毎に15時間行い,発酵開始時に酵母溶液の糖度,pH,OD600測定,血球計算盤でセルカウントをした.次に,本培養を3時間毎に36時間,あるいは前培養を8時間毎に120時間行った.最後に,前培養を行わず本培養を3時間毎に36時間行った.サンプルとして,最初の実験で最も成績の良かった酵母を使用した.
【結果】
最初の実験で,多くの酵母において12時間まで膨らみが継続したが,15時間後からは停止した.従って,発酵時間は12時間が最適であると結論づけた.本培養時間の検証では,培養時間に伴い,糖度は減少,OD600は増加した.培養開始直後の発酵力に差が見られたものの,12時間後の生地の膨らみに有意な差は見られなかった.前培養時間の検証では,生地の膨らみは前培養時間に依存しなかった.そこで前培養無しで検証したところ,安定して発酵させるためには27時間の本培養が必要であった.これらのことから,天然酵母パンの作製に最適な発酵時間は12時間であり,培養時間は従来法に比べ,はるかに短縮できることが判明した.
果実や花からの酵母を用いた天然酵母パンは,独特な風味や消費者の健康志向と相まって人気を集めている.しかし,従来の製パン法では長時間の培養と発酵を必要とする.そこで本研究では,その製パン効率化に向けて,パン生地が安定して発酵する培養・発酵時間を検証した.
【方法】
まず,パン生地の膨らみが最大となる発酵時間を検証した.市販のヒマワリ由来酵母をコントロールとし,本研究室で取得した18種類のSaccharomyces cerevisiaeを用いた.YM培地に酵母を植菌し,27℃で3日間静置培養した(前培養).さらに5倍希釈のミックスジュースを加え27℃で24時間静置培養し(本培養),酵母溶液とした.酵母溶液と小麦粉を混合・成型してメスシリンダーに移し,27℃で発酵させた.膨らみの測定は3時間毎に15時間行い,発酵開始時に酵母溶液の糖度,pH,OD600測定,血球計算盤でセルカウントをした.次に,本培養を3時間毎に36時間,あるいは前培養を8時間毎に120時間行った.最後に,前培養を行わず本培養を3時間毎に36時間行った.サンプルとして,最初の実験で最も成績の良かった酵母を使用した.
【結果】
最初の実験で,多くの酵母において12時間まで膨らみが継続したが,15時間後からは停止した.従って,発酵時間は12時間が最適であると結論づけた.本培養時間の検証では,培養時間に伴い,糖度は減少,OD600は増加した.培養開始直後の発酵力に差が見られたものの,12時間後の生地の膨らみに有意な差は見られなかった.前培養時間の検証では,生地の膨らみは前培養時間に依存しなかった.そこで前培養無しで検証したところ,安定して発酵させるためには27時間の本培養が必要であった.これらのことから,天然酵母パンの作製に最適な発酵時間は12時間であり,培養時間は従来法に比べ,はるかに短縮できることが判明した.