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[1201-08-02] 内生菌との相互作用を利用した植物の重金属耐性と緑化利用への可能性:リョウブ・ススキを例として
司会:駒井 武(東北大学)
Chairman: Takeshi Komai (Tohoku University)
キーワード:重金属耐性、内生微生物
重金属濃度が高い土壌に成立する植生は特殊であることが知られており、そういった植物種は生理的・生態的にも高濃度の重金属に対して適応し、様々な重金属耐性メカニズムを発達させていると考えられている。近年、植物自身のみならず、根圏微生物の関与した重金属耐性機構が解明されてきた。本発表では、多くの鉱山跡地に自生するリョウブとススキを例として、根圏微生物の中でも植物のストレス耐性を増強する能力が高いとされる、内生菌の関与した重金属耐性機構について発表する。リョウブは内生菌が存在すると生育が促進され体内の重金属濃度を低減できるが、内生菌が存在しないと根の伸長阻害等の毒性を発現し、重金属環境で生育が困難であることが明らかとなった。また、ススキは内生菌の存在下で増強されるAl耐性を獲得しておりAlを高濃度蓄積できるが、Alの過剰吸収が重金属の吸収を抑制する可能性が明らかとなった。以上のことから、鉱山跡地では、植物と内生菌も共に生残できるように相互作用を発達させ、適応していると推測される。また、遷移初期種である両植物において、内生菌を利用した鉱山跡地での緑化の可能性についても考察する。
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