14:15 〜 14:35
[1212-14-01] チップクリートを用いた緑化環境修復技術の鉱山跡地への適用
司会:今泉博之(産業技術総合研究所)
Chairman: Hiroyuki Imaizumi (AIST)
キーワード:チップクリート、鉱山跡地、強酸性土壌、緑化
チップクリートは、木材チップをセメントミルクで被覆固化した連続空隙の構造を有するポーラスコンクリートである。このセメント成分を含むポーラス構造があるため、地山酸性湧水を中和しつつ排水することが可能であり裏面浸食を抑える機能がある。本稿では、鉱山跡地の硫化鉱物等が変質した土壌・風化岩で酸性水の湧出する斜面において、チップクリートとその表面に吹き付ける植生基材を組み合わせた緑化工法について試験施工の結果を報告する。本検討では、pH3.5以下の湧水のある斜面で、吹付モルタル工法とチップクリート工法の比較試験施工を実施し、チップクリート工法の排水と中和の有効性を検証した。また、実施工では施工後3年経過した時点においても植物は生育し、植生基材が中性を保ち続け、チップクリートはアルカリ性を示した。なお、経過観察中であるが水質改善の傾向が出ていることも報告する。チップクリート工法は、鉱山跡地などでの酸性の湧水が発生する土壌や風化岩における濁水の発生抑制及び景観面も配慮した緑化環境修復対策の一助になることが期待できる。
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