資源・素材 & EARTH 2017(札幌)

講演情報(2017年8月24日付)

企画講演(Special Session)

低炭素社会構築のためのCCS(CCS Technologies for low carbon society)

2017年9月26日(火) 13:00 〜 15:00 第6会場 C213 (C棟2階/Fl.2.,Build. C)

司会:佐々木久郎(九州大学)
Chairman: Kyuro Sasaki (Kyushu University)

14:20 〜 14:40

[1605-08-03] 格子ボルツマン法を用いた多孔質内における物質輸送の数値解析

○江上 昌宏1 (1. 東京工業大学)

司会:佐々木久郎(九州大学)
Chairman: Kyuro Sasaki (Kyushu University)

キーワード:格子ボルツマン法、多孔質、物質輸送

二酸化炭素地下貯留は地下深くの多孔質構造を有する貯留層で行われる.多孔体内の流れ場を捉えること,さらには貯留層内に残留ガストラップされたCO2気泡が周囲の孔隙水に溶け出していく溶解トラップにおける物質輸送現象は,CO2貯留の安定性に直結するため,この知見を得ることは重要と成る.
そこで本研究ではX線CT装置から取得される多孔体に対して格子ボルツマン法を用いて数値流動解析を行った.
単相流解析の結果,同多孔体にNWPをトラップさせ飽和率を増加させた場合相対浸透率は低下し,定性的な結果と一致した.また,飽和率を増加させると,平均流速に対して流速が大きい格子点の数が増加した.
さらに格子ボルツマン法で得られた流動場を移流拡散方程式に適用し,トラップされたCO2気泡から水中へと物質供給された後のCO2濃度分布を計算した.解析の結果,各多孔体において物質輸送とレイノルズ数の線形関係が示された.また,物質輸送とNWP飽和率においてベレア砂岩では飽和率の増加と共に物質輸送が低下する現象が見られた.これは固体壁との接触面積の増加,流速のばらつきによる局所的なよどみの効果によって溶解が抑制されるためであると考えられる.

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