低炭素社会構築のためのCCS（CCS Technologies for low carbon society）

[1605-08-04] スナップオフにおけるダイナミックな界面挙動の流動解析

○樋口 福永¹、末包 哲也¹ (1. 東京工業大学)

司会：佐々木久郎（九州大学）
Chairman: Kyuro Sasaki (Kyushu University)

キーワード：資源、ミクロ二相流、石油回収、二酸化炭素地下貯留、スナップオフ

石油回収やCO2地下貯留においてスナップオフは非湿潤相のトラップ発生に関連して重要な現象である．本研究では実験では計測が困難な直径数10~数100μmの個々の細孔内における二相流動場の有限体積法によるVOF法を用いたダイレクトシミュレーションを行った．スナップオフでは極めて短い時間スケールで急激に界面の成長・崩壊・切断が発生し，そうしたダイナミクスは完全には捉えられていない。今回の研究では界面成長速度の定量的な評価を行った。その結果、界面成長に従って毛管力が非定常的に増加し更に界面成長を促進した。特に切断によって失われる界面エネルギーの多くの割合が湿潤相側の運動エネルギーに変換されスナップオフされた非湿潤相への流れは比較的少なかった。更にポア形状及び非湿潤相分布に対称性をもたせた場合でもスナップオフに非対称性が現れた。界面成長段階における湿潤相、非湿潤相内の粘性抵抗力がキャピラリー数を上げるにつれてスナップオフに影響を及ぼした。