10:45 〜 11:00
[1701-10-06] Tributyl Phosphate-[Cnmim][Tf2N]を用いた塩酸水溶液からの白金族元素の分離プロセスの開発
司会:芳賀一寿(秋田大学)
Chairman: Kazutoshi Haga (Akita University)
キーワード:白金族元素、溶媒抽出、イオン液体、TBP
常温溶融塩であるイオン液体(IL)は, 不揮発性、難燃性等の特徴を有することから, 多彩な科学領域への展開が期待されている. 先行研究によりILを溶媒抽出法の有機溶媒の代替として応用した研究が多く行われている. ILは金属イオンに対して抽出能を有することが確認されており, 特定の抽出剤を組み合わせることで抽出能が顕著に向上することが報告されている. 現在工業用Pd(II)抽出剤として広く使用されているDihexyl SulfideはPd(II)に対する選択性が優れているが抽出に長時間必要とし, 劣化による抽出能の低下が問題とされている. 当研究室の既往の研究成果によればリン酸系抽出剤の溶媒にILを用いることで, 従来の抽出剤よりも迅速なPd(II)の抽出分離の可能性が示された. そこで本研究では, 1-alkyl-3-methylimidazoliumubis[(trifluoromethyl)sulfonyl]imide([Cnmim][Tf2N])を溶媒としたTributyl Phosphate(TBP)による自動車触媒に含まれる白金族元素の高効率且つ迅速な分離プロセスの構築を目指した. 本研究成果からPd(II), Pt(IV)が迅速に抽出されることが明らかとなった. 本会ではTBP-[Cnmim][Tf2N]を用いた塩酸水溶液中での白金族元素の基礎的な抽出・逆抽出挙動の検討を詳細に行ったので報告する.
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