09:55 〜 10:20
[2401-06-03] Si含有ステンレス鋼の高温水蒸気酸化挙動
司会:武部博倫(愛媛大学)
Chairman: Hiromichi Takebe (Ehime University)
キーワード:廃炉、SiO2、ステンレス鋼、水蒸気、酸化
シビアアクシデント下において原子炉内ではフィッションプロダクトであるCsが発生し、シリカを含む不溶性の放射性酸化物の生成が知られている。原子炉の構造材としてシリコンを含むステンレス鋼が用いられていることから、放射性複合酸化物のシリカの供給源である可能性がある。そこで本研究では、高温で酸化されたステンレス鋼の酸化物中シリコンに対する、水蒸気を含む雰囲気、反応時間の影響を調査するために、シリコン含有量の異なるステンレス鋼に対して、水蒸気を含む雰囲気下で高温酸化し生成酸化物相内におけるシリコンの分布状態を観察した。SUS304鋼を1473K、Ar/H2O雰囲気下において60分保持後急冷した試料の断面を観察したところ、シリコン濃度が1.0mass%以下の試料では主にFeOxで構成される外部酸化相とFe-Ni-Cr-O系相とFe-Cr-O系相の混合物にFe2SiO4相が分散する内部酸化相が見られた。さらに内部酸化相と金属相界面に薄いSiO2濃化相が形成されることも観察された。反応時間の異なる試料から反応の進行に伴い、Fe2SiO4はSiO2とFeOxに変化する。外部酸化相はもろく、内部酸化相は気孔を含む構造であることから、構造面から酸化相中のSiO2は気相中の元素と反応しやすいと予測される。
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