岩盤工学（Rock Engineering）

[3305-12-04] 泥岩のスレショルド圧力測定

○及川 寧己¹、竹原 孝¹、雷 興林¹、深沢 洋規²、山口 勉² (1. 産業技術総合研究所、2. 東邦大学)

司会：船津貴弘（九州大学）
Chairman: Takahiro Funatsu (Kyushu university)

キーワード：スレショルド圧力、泥岩、キャップロック

CO₂の地中隔離においてはキャップロックに相当する岩盤の遮蔽性能が重要である。スレショルド圧力は毛管圧に起因する岩石の遮蔽特性の一つで、簡便に計測できれば便利である。これまで著者らは陸域の地下深度1000m程度の地層環境を想定して、CO₂を圧入した際のキャップロックに相当する岩石の変形挙動を調べる研究を行ってきたが、ここではその中で副次的に得られたデータを用いてスレショルド圧力を計測し妥当性を検討した結果について報告する。スレショルド圧力の計測方法は幾つか知られているが、ここでは流速の変化からスレショルド圧力を評価する動的流動法を適用した。試料岩石は、比較的容易に入手可能な地表採取の千葉県産の第四紀泥岩を用いた。K、L、N、Pの4つの岩石ブロックの試験片について解析したところ合計23個の試験片でスレショルド圧力の評価が可能であった。スレショルド圧力の値には、ブロックごとの傾向の違いを含めてバラツキがあり、0.54～1.57MPaと評価された。さらにスレショルド圧力発生により試験片に生ずる孔隙圧力低下にともなう変形を用いて検討したところ、得られたスレショルド圧力は妥当な値と考えられた。