リサイクル（Recycling）

[PY1-37] 金めっき廃液からの金の回収に用いるイオン交換体の開発及び分離・回収プロセスの検討

○駒田 諒¹、新井 剛¹、山田 彰一² (1. 芝浦工業大学、2. 有限会社 ケミカル電子)

キーワード：イオン交換体、クロマトグラフィ法、金めっき

金めっきは電気抵抗や信頼性の高さから通信機器や電子工業製品に多用されている。現在、資源の再利用の観点からめっき廃液からの金の回収が注目されており、めっき工場では廃液中に含まれる貴金属や有価金属の回収のために、イオン交換等種々の分離技術が適用されている。しかし、現行の金回収用のイオン交換樹脂は有機物のみで構成されているため、樹脂充填層に高い圧力をかけた場合、樹脂の粉化による圧力損失故に分離段が少なくなり高純度に金を回収することが困難となっている。そこで筆者らは、イオン交換樹脂の担体に多孔性のSiO₂粒子を用いることで物理的強度を向上させ、高圧かつ高速に通液可能なイオン交換体の開発を行った。本研究成果より自製したイオン交換体を用いることで高い通液速度においても圧力損失が生じず、高純度かつ高回収率での金の回収可能性が見出された。本会では自製のイオン交換体を用いた金の吸着挙動など基礎的検討を行ったので報告する。