資源・素材 & EARTH 2017(札幌)

講演情報(2017年8月24日付)

若手ポスター発表(Poster:MMIJ Students and Young Researchers)

リサイクル(Recycling)

2017年9月26日(火) 15:30 〜 17:30 ポスター会場1 セミナー室・ホワイエ (フロンティア棟2F/Fl. 2.,Build.Frontier, Seminar Room2 & Foyer)

15:30 〜 17:30

[PY1-40] 羊毛織布や羊毛織布由来ケラチン樹脂を用いた廃水からのPd選択的回収

○丸藤 直久1、平井 伸治1、伊勢 智一2、大森 英城2、葛谷 俊博1 (1. 室蘭工業大学、2. 日本毛織株式会社)

キーワード:羊毛廃棄物、ケラチン樹脂、パラジウム、選択回収、吸着材

羊毛繊維を加熱しながら加圧することでケラチン樹脂を作製し、Au、Hf、Ir、Pd、Pt、Rh、Ru、Sb、Sn、Teのイオンが10 ppmずつ含まれる混合標準液に投入すると、PdとAuのみが樹脂表面に吸着する。この吸着は、ケラチンタンパク質の硫黄を含む側鎖であるシステイン、メチオニン、あるいは末端アミノ基が貴金属イオンと配位結合することにより貴金属イオンが吸着するものと考えることができる。また、Pd濃度が250 ppm、Cu濃度が750 ppmの模擬廃液に樹脂を100 g/Lの割合で投入したところ、24時間の吸着において、Cuの0%の回収率に対し、Pdのそれは78 %となり、選択的回収性が確認されている。同じ投入量でPd濃度を10000 ppm、Cu濃度を8400 ppmまで濃化しても、選択的回収性は確認された。しかし、羊毛樹脂により比較的精度の高いPdの選択回収が可能であるものの、投入量が大きすぎるという問題があった。本研究では、吸着剤を羊毛樹脂から羊毛織布に広げ、さらに羊毛繊維表面のシステインを比較的多く含むクチクラを除去した羊毛繊維から作製した織布や樹脂を用い、回収量に及ぼす投入量、模擬廃液の濃度の最適化を図った。

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