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[PY1-41] 脱スケール処理された羊毛繊維の希土類イオン吸着特性
キーワード:希土類金属、抗菌性、選択回収、吸着材、羊毛廃棄物
リン酸基を含むビニル化合物によりグラフト重合した羊毛繊維は、希土類イオンを含む硝酸水溶液に浸漬すると、希土類イオンを吸着することが報告されている。しかし、あらかじめ脱スケール処理により繊維表面のクチクラ (キューティクル)を除去した羊毛繊維であれば、浸漬するだけで軽希土類イオンを容易に吸着し、このことを利用して羊毛織布に抗菌性を付与してきた。例えば、羊毛織布を80℃に保たれたそれぞれ濃度 400 ppm の硝酸 La、Ce、Gd 水溶液に対して質量比 1:100 の割合で投入し、撹拌しながら2 時間保持 したところ、羊毛織布に黄色ブドウ球菌、大腸菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する抗菌作用を付与することが出来た。同時に、織布投入後の吸着による硝酸Ce 水溶液中の Ce 濃度の減少量を投入前の Ce 濃度で除した回収率を求めると38%にも達していた。本研究では、15 種の希土類イオンをそれぞれ10 ppm含む混合標準液に、脱スケール処理を施した羊毛織布を10~100 g/L の比率で投入し、効果的な吸着を行うためのpH、希土類イオン濃度などの吸着条件の最適化を行った。さらに、希土類イオンと Co(III)、Fe(III)の混合水溶液からの希土類イオンの選択的吸着の可能性について検討した。
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