11:15 〜 11:30
[3Fa-10] アズキポリフェノールが社会的敗北モデルマウスのうつ症状に及ぼす影響
キーワード:アズキ、ポリフェノール、社会的敗北ストレス、行動分析、うつ病
【目的】酸化ストレス障害を惹起する社会的敗北モデル(うつ病モデル)マウスを用いて,異なる煮熟方法により調製された煮アズキ粉末のポリフェノール含有量の違いが,ストレスに暴露された生体に及ぼす影響について検討した.
【方法】渋切り法(渋切り3回)または新煮熟法(煮汁を全て吸収)にて調製された煮アズキを凍結乾燥し,ポリフェノール及び一般成分の分析を行い,成分調整して給餌に供した.試験食群は,①対照食群,②5%渋切りアズキ食群,③5%新煮熟アズキ食群の3群で,各群に対するストレスの有無により合計6群を設定した.各群には6~7匹のC57BL/6Jマウス(8週齢)を供試し,体重,摂取量,行動分析(オープンフィールド試験(OF),社会性相互作用試験(SI),高架式十字路試験(EPM))について解析した.
【結果】各群間の試験飼育期間中の食餌摂取量に差はなかったが,ストレス群は非ストレス群煮比べて有意な体重増加が観察された.また,ストレス群において渋切りアズキ食群の体重に比べ新煮熟アズキ食群の体重は有意に低かった.OF試験とEPM試験において不安様行動を観察した結果,社会的敗北ストレスマウスが作出されたことが示された.渋切りアズキ食群と新煮熟アズキ食群の間で見られた体重差は,食餌のポリフェノール含有量の差に基づくものと考えられた.しかし,ストレス負荷時の新煮熟アズキ食群と対照食群の間に差が認められなかったことから,ストレス負荷による体重増加を解消するものではなかった.SI試験において,ICRマウス(比較的大型のアルビノマウス)存在下のInteraction Zone滞在時間が,新煮熟アズキ食群では非ストレス負荷時に比べてストレス負荷時で有意に減少し,SI scoreも同様の傾向を示した.この結果は,ストレス負荷環境下における新煮熟アズキ食の摂取は,ストレス脆弱性が増加することを示唆している.
【方法】渋切り法(渋切り3回)または新煮熟法(煮汁を全て吸収)にて調製された煮アズキを凍結乾燥し,ポリフェノール及び一般成分の分析を行い,成分調整して給餌に供した.試験食群は,①対照食群,②5%渋切りアズキ食群,③5%新煮熟アズキ食群の3群で,各群に対するストレスの有無により合計6群を設定した.各群には6~7匹のC57BL/6Jマウス(8週齢)を供試し,体重,摂取量,行動分析(オープンフィールド試験(OF),社会性相互作用試験(SI),高架式十字路試験(EPM))について解析した.
【結果】各群間の試験飼育期間中の食餌摂取量に差はなかったが,ストレス群は非ストレス群煮比べて有意な体重増加が観察された.また,ストレス群において渋切りアズキ食群の体重に比べ新煮熟アズキ食群の体重は有意に低かった.OF試験とEPM試験において不安様行動を観察した結果,社会的敗北ストレスマウスが作出されたことが示された.渋切りアズキ食群と新煮熟アズキ食群の間で見られた体重差は,食餌のポリフェノール含有量の差に基づくものと考えられた.しかし,ストレス負荷時の新煮熟アズキ食群と対照食群の間に差が認められなかったことから,ストレス負荷による体重増加を解消するものではなかった.SI試験において,ICRマウス(比較的大型のアルビノマウス)存在下のInteraction Zone滞在時間が,新煮熟アズキ食群では非ストレス負荷時に比べてストレス負荷時で有意に減少し,SI scoreも同様の傾向を示した.この結果は,ストレス負荷環境下における新煮熟アズキ食の摂取は,ストレス脆弱性が増加することを示唆している.