資源・素材 & EARTH 2017(札幌)

講演情報(2017年8月24日付)

企画講演(Special Session)

銅熔錬における銅スラグロスの現状と課題(Copper losses in copper smelting slags)

2017年9月27日(水) 13:00 〜 15:10 第4会場 B32 (B3棟1階/Fl.1.,Build. B3)

司会:柴田悦郎(東北大学多元物質科学研究所)
Chairman: Etsuro Shibata (Institute of Multidisciplinary Research for Advanced Materials, Tohoku University)

13:30 〜 13:55

[2407-11-02] 佐賀関製錬所におけるスラグロスの現状と対応

○甲斐 志治1、佐野 浩行1、永戸 敏博1 (1. パンパシフィック・カッパー株式会社)

司会:柴田悦郎(東北大学多元物質科学研究所)
Chairman: Etsuro Shibata (Institute of Multidisciplinary Research for Advanced Materials, Tohoku University)

キーワード:自溶炉、スラグロス、マグネタイト、アルミナ、酸素ポテンシャル

パンパシフィック・カッパー(株)佐賀関製錬所では、近年の精鉱中Cu品位低下とそれに伴うAl2O3などの脈石成分増加により、スラグ流動性悪化などの操業影響が発生している。この自溶炉スラグの現状について、スラグ流動性に及ぼすスラグ組成の影響の観点から検討を実施したところ、操業データの解析結果からは、佐賀関スラグの酸素ポテンシャルは高い状況にあり、スラグ中Al2O3濃度が高くなるとFe3O4を主体とする固体Spinelが生成しやすい状況となることが確認された。また、固体Spinelの存在によりスラグの流動性が悪化し、スラグ中懸垂マット量の増大によるスラグロスへの悪影響が認められた。一方、熱力学的シミュレーションによる考察から、スラグの酸素ポテンシャルを低下させることが、スラグ融点を低下させると同時に、固体Spinel生成抑制に作用し、スラグ流動性が改善され、スラグ中の懸垂銅ロス低減に効果があることが示唆された。本報告では、上述の検討結果と足下の対応状況について述べる。

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