16:45 〜 17:00
[2Ap-07] 食品に含まれる高極性スフィンゴ脂質の定量解析と消化特性の評価
キーワード:スフィンゴ脂質、GIPC、HPLC
【目的】スフィンゴミエリン(SM)やグルコシルセラミド(GlcCer)などのスフィンゴ脂質は,様々な食品素材に普遍的に含まれており,生体膜構成成分としてだけでなく,食品機能性成分としても注目されている.一方で,高等植物には,複雑な糖鎖を有することで極性の高いホスホイノシトール含有スフィンゴ脂質(GIPC)が相当量含まれていることも知られているが, 食品成分としての情報はほとんどない.そこで本研究では, 食品に含まれる高極性スフィンゴ脂質を定量解析し,加えて,高極性スフィンゴ脂質の1つであるGIPCの消化特性を解明することを目的とした.
【方法】食品中スフィンゴ脂質含有量の算出にあたり,様々な農畜水産物を試料として,凍結乾燥した試料を,そのまま,あるいはFolch法によって上層(中間層を含む)と下層に分画した.これら3つの画分についてそれぞれ酸加水分解処理を行い,生じたスフィンゴイド塩基を定量することで,スフィンゴ脂質含有量を算出した.GIPCの消化特性を調べるために,レタスから精製したGIPCをラット小腸アセトンパウダーと37 ℃で反応させ,分解物であるスフィンゴイド塩基とセラミドの生成量を測定した.
【結果】農産物の場合,Folch下層のみならず,上層からも相当量のスフィンゴイド塩基が検出され,GIPC由来と推定された.一方で畜水産物の場合,ガングリオシドなどに由来すると考えられるFolch上層に含まれるスフィンゴイド塩基量は,下層に比べて極めて少量であった.得られた定量値をもとに1人1日あたりのスフィンゴ脂質摂取量を推定したところ,SMやGlcCerなどの低極性スフィンゴ脂質90 mg程度に加えて,GIPCなどの高極性スフィンゴ脂質100 mg程度を摂取していることが示された.また,GIPCとラット小腸アセトンパウダーを反応させた結果,GIPC分解物の生成が確認された.
【方法】食品中スフィンゴ脂質含有量の算出にあたり,様々な農畜水産物を試料として,凍結乾燥した試料を,そのまま,あるいはFolch法によって上層(中間層を含む)と下層に分画した.これら3つの画分についてそれぞれ酸加水分解処理を行い,生じたスフィンゴイド塩基を定量することで,スフィンゴ脂質含有量を算出した.GIPCの消化特性を調べるために,レタスから精製したGIPCをラット小腸アセトンパウダーと37 ℃で反応させ,分解物であるスフィンゴイド塩基とセラミドの生成量を測定した.
【結果】農産物の場合,Folch下層のみならず,上層からも相当量のスフィンゴイド塩基が検出され,GIPC由来と推定された.一方で畜水産物の場合,ガングリオシドなどに由来すると考えられるFolch上層に含まれるスフィンゴイド塩基量は,下層に比べて極めて少量であった.得られた定量値をもとに1人1日あたりのスフィンゴ脂質摂取量を推定したところ,SMやGlcCerなどの低極性スフィンゴ脂質90 mg程度に加えて,GIPCなどの高極性スフィンゴ脂質100 mg程度を摂取していることが示された.また,GIPCとラット小腸アセトンパウダーを反応させた結果,GIPC分解物の生成が確認された.